コロナ対策融資の賢い使い方(24)ビジネス変革の長期戦略|With・Afterコロナ対応
2020.05.30
🌐 オンライン化の加速:コロナが変えたビジネス環境
※注:コロナ対応融資制度は既に終了していますが、当時の変革経験は現在も活用できる重要な教訓です
インターネットを使っていれば、誰もが気づいていることでしょう。
オンラインセールスに関する情報を筆頭に、非接触型の営業、会社運営の方法に関する情報が以前
よりも格段に増えているということを。
これはコロナ対策という意味もありますが、それ以上にコロナ以前から徐々にオフラインから
オンラインへの移行は起こっていたのです。
コロナがこの傾向を一気に加速させたというだけに過ぎません。
ビジネス環境の構造的変化
💡 変化の本質を理解する
会社によっては、以前の経営に比べて手間が増えたということも起こっています。
しかし同時に、以下のような根本的な変化も生まれています:
- 移動時間が不要:地理的制約からの解放
- 場所に拘束されない:働き方の多様化
- 人の介在必要性の減少:自動化・効率化の進展
この状況は、単純に「何でもかんでもオンライン」ということではありません。
むしろ、対面でやる必要性の再定義が求められているのです。
経営における再定義の必要性
⚠️ 避けて通れない3つの再定義
- 対面業務の再定義
- 本当に対面でなければならない業務は何か?
- 顧客との関係性構築において対面の価値とは?
- チーム力向上のための対面コミュニケーションの役割とは?
- 会社業務の再定義
- どの業務をデジタル化・自動化できるか?
- 新しい業務プロセスに必要なスキルセットは?
- 効率化によって生まれた時間をどう価値創造に活用するか?
- ビジネスの再定義
- お客様に提供する価値の本質は何か?
- デジタル時代における競争優位性とは?
- 持続可能なビジネスモデルの構築方法は?
With・Afterコロナに向けた長期戦略
🎯 3年後・5年後を見据えた会社の未来設計
御社はWith/Afterコロナに備えて、3年後・5年後の会社の状況を考えていますか?
多くの経営者が目の前の課題解決に追われていますが、真の成功は長期的視点から生まれます。
以下の観点から、包括的なシミュレーションを行うことをお勧めします。
【必須】3つの見地からのシミュレーション
1. 財務の見地
- キャッシュフロー構造の変化
- オンライン化による初期投資とランニングコスト
- 売上構造の変化(既存顧客 vs 新規開拓)
- 回収条件・支払条件の見直し必要性
- リスク管理体制の強化
- 複数の収益源確保による安定性向上
- 固定費・変動費のバランス最適化
- 緊急時の資金調達手段の確保
2. 営業の見地
- 顧客接点の進化
- オンライン営業プロセスの確立
- 顧客データ活用による提案精度向上
- 継続的関係構築のための仕組み作り
- 価値提供方法の変革
- デジタルサービス化できる部分の特定
- 顧客体験(CX)の向上策
- 差別化要因の明確化と強化
3. 組織の見地
- 人材戦略の見直し
- デジタルスキル習得のための教育計画
- リモートワーク環境での生産性向上
- 組織文化の維持・発展方法
- 組織構造の最適化
- 意思決定プロセスのスピードアップ
- 部門間連携の強化方法
- 評価制度・報酬制度の見直し
日本古来の経営哲学との融合
🏯 変化に対応する「和魂洋才」の智恵
激しい変化の時代だからこそ、日本古来の経営哲学が重要になります。
表面的な手法の模倣ではなく、本質を理解した上での応用が求められるのです。
📚 古典に学ぶ変化対応の叡智
「窮すれば則ち変じ、変ずれば則ち通ず」(易経)
困った状況になれば変化し、変化すれば道が開ける
この2000年以上前の教えは、現代のビジネス変革における根本原理を示しています。
- 変化を恐れない心構え:困難な状況こそ成長の機会
- 本質を見極める目:表面的変化と根本的変化の区別
- 継続的改善の精神:一度の変化で満足しない姿勢
実践的な取り組み指針
【今すぐ始められる】段階的変革アプローチ
Phase 1: 現状把握(1-2ヶ月)
- 自社のデジタル化度診断
- 現在のIT活用状況の棚卸し
- 業務プロセスのデジタル化可能性評価
- 競合他社の取り組み状況調査
- 顧客ニーズの変化調査
- 既存顧客へのヒアリング実施
- 購買行動の変化パターン分析
- 求められる価値の再定義
Phase 2: 戦略策定(2-3ヶ月)
- 3年後のビジョン明確化
- ありたい姿の具体的描写
- 必要な変革項目の洗い出し
- 実現可能性の検証
- 実行計画の策定
- 優先順位の設定
- 必要な投資額の算定
- リスク対策の準備
Phase 3: 実行・検証(継続)
- 小規模から始める
- パイロット的な取り組み実施
- 効果測定と改善点の把握
- 成功事例の横展開
- 継続的な見直し
- 月次での進捗確認
- 市場変化への適応
- 戦略の柔軟な修正
重要:急激な変化を求めるのではなく、継続可能なペースでの変革を心がけてください。
まとめ
With・Afterコロナの時代は、単なる「元に戻る」のではなく、「より良い未来への進化」
を求めています。ビジネスのカタチが変わる今こそ、財務・営業・組織の3つの見地から
包括的なシミュレーションを行い、「和魂洋才」の精神で持続可能な変革を実現しましょう。
🌸「収益満開経営」への道筋
変化の時代だからこそ、古典の叡智が重要になります。「窮すれば則ち変じ、変ずれば則ち通ず」の教えを胸に、長期的視点で会社の未来を描いてください。
あなたの会社の「収益満開経営」実現のために、今こそ行動を起こしましょう。
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