コロナ対策融資の賢い使い方(25)コロナ融資からの教訓を活かす
2020.05.31
📅 最終更新:2025年7月6日
※ コロナ対応融資制度終了後の視点から、当時の教訓と現在への応用を加筆
🎯 一時的な安心感に潜む真の危険
「とりあえず資金調達できた」という安心感が、実は最大のリスクかもしれません。
💭 コロナ対応融資後の経営者心理の変化
※注:コロナ対応融資制度は既に終了していますが、当時の経験は現在の経営判断に重要な示唆を与えます
コロナ対応融資に関してずっと書いてきました。いかがだったでしょうか?
最近、経営者の方と話をしていて感じることは、当面の運転資金については、コロナ対応融資で借りることができて、コロナの影響がこの先も不透明なことよりもほっと一安心という方が強いということです。
もちろん、すべての経営者の方がという訳ではありませんし、また、どのくらいの影響が出るのか不透明なので全然安心できないという方がいることは承知しています。
それでも、「どうするんだ・・・」というころに比べると、資金繰りのめどが立ったことの安心感の方が強いということは否定できないと思っています。
本当にそれで大丈夫?経営者への5つの問いかけ
⚠️ 安心感の陰に潜む根本的課題
でも、何度も書いていたように、敢えていいたいのは本当にそれで大丈夫?
経営者が今すぐ答えるべき5つの質問
- 事業継続できますか?
- 融資は一時的な延命措置に過ぎません
- 根本的な事業モデルの見直しは済んでいますか?
- 売上回復の方法を時間軸で用意していますか?
- 「いつまでに」「どの程度」回復させるか明確ですか?
- 具体的なアクションプランはありますか?
- 返済していけますか?
- 据置期間終了後の返済計画は現実的ですか?
- キャッシュフローの改善見込みは確実ですか?
- そのシミュレーションができていますか?
- 楽観・悲観・現実的の3パターンで検証済みですか?
- 数値に基づく客観的な判断ができていますか?
- 次の危機への備えはありますか?
- 同様の危機が再来した時の対応策は?
- 財務体質の根本的強化は進んでいますか?
ということを私はずっと思っています。
With・Afterコロナ時代の経営の本質
💡 時代の変化に対応した経営の現実
With/Afterコロナであることが当たり前の時代になり、ほとんどの人がマスクをして、店に入るのに消毒液を手に付けることに違和感を抱かなくなった今の時代、以前にまして財務の安全性・健全性が問われるようになったと感じています。
現在求められる経営者の視点
- 短期的安心感からの脱却:資金調達は手段であり目的ではない
- 構造的問題の解決:表面的な資金繰り改善を超えた根本対策
- 持続可能性の重視:一時的対応ではない長期戦略の構築
- 危機耐性の強化:次の変化にも対応できる経営体質の確立
真の財務健全性とは何か
🎯 「収益満開経営」が目指す財務の本質
コロナ対応融資の経験から学ぶべきは、一時的な資金調達に頼らない強靭な財務体質の構築です。
真の財務健全性の3つの柱
1. 予測可能性の確保
- 3年後までの資金繰り予測の精度向上
- 売上変動に対する感応度分析
- 最悪シナリオでの生存期間算定
2. 自律的キャッシュ創造力
- 本業からの安定したキャッシュフロー創出
- 運転資金効率の継続的改善
- 収益性と流動性の両立
3. 危機対応力の内蔵
- 売上減少時の迅速なコスト調整機能
- 複数の資金調達手段の確保
- 事業継続計画(BCP)の実効性
古典の叡智に学ぶ危機管理の本質
🏯 二宮尊徳の教えが示す真の備え
コロナ対応融資の経験は、二宮尊徳の教える「分度」の重要性を改めて浮き彫りにしました。
「入りを量りて出を制す」(礼記)
収入を正確に把握し、支出をその範囲内に抑える
現代的解釈では:
- 「入り」の正確な把握:確実に見込める収入のみを前提とした計画
- 「出」の厳格な制御:必要最小限の支出への絞り込み
- 「分度」の維持:身の丈に合った経営規模の保持
コロナ対応融資で一時的に「入り」が増えても、それに応じて「出」を増やしてしまえば、本質的な問題解決にはなりません。
これからの発信方針
📝 継続的な価値提供へのコミット
これからもその様な観点から書いていきたいと思います。
今後の発信テーマ
- 財務安全性の具体的向上法
- 経常運転資金の最適化手法
- キャッシュフロー予測の精度向上
- 危機耐性のある財務構造の構築
- 古典の叡智の現代的応用
- 渋沢栄一「論語とそろばん」の実践
- 近江商人の商人道に学ぶ持続経営
- 二宮尊徳の報徳思想による経営改革
- 「収益満開経営」の体系化
- 自然で持続的な成長の実現方法
- 和魂洋才による経営哲学の確立
- 2200年の日本繁栄への貢献
目標:一時的な対症療法ではなく、根本的な経営体質改善による持続的繁栄の実現を支援します。
まとめ
コロナ対応融資の経験から学ぶべきは、「一時的安心感の危険性」と「真の財務健全性の重要性」です。古典の叡智「入りを量りて出を制す」の原則に立ち返り、持続可能な「収益満開経営」の実現を目指しましょう。
🌸 継続的な改善への道筋
真の経営力とは、危機の時だけでなく、平時においても財務の健全性を維持し続ける力です。コロナ対応融資の教訓を活かし、より強靭な経営体質の構築を目指してください。
あなたの会社の「収益満開経営」実現のために、これからも実践的な智恵をお伝えしていきます。