なぜ99.9%の社長が財務を理解していないのか?中小企業が陥る「決算書の罠」と真の経営力

2020.06.01






なぜ99.9%の社長が財務を理解していないのか?中小企業が陥る「決算書の罠」と真の経営力


📅 更新日:2025年7月7日

なぜ99.9%の社長が財務を理解していないのか?中小企業が陥る「決算書の罠」と真の経営力

売上は上がっているのに、なぜかお金が残らない…
税理士が作る決算書の数字と、自分の実感が全然違う…

もしあなたがこのような違和感を抱いているなら、それは決して珍しいことではありません。

理化学研究所の脳科学研究が証明:
30社以上の事業計画作成を支援してきた私の経験から言えることは、
財務を真に理解している社長は99.9%存在しない
という衝撃の現実です。

しかし、これは社長の能力の問題ではありません。むしろ、日本の中小企業を取り巻く「構造的な問題」にあるのです。

「なんとかなるだろう」では会社は生き残れない

普段、中小企業の社長と財務について話をしていて感じることがあります。

それは、会社の現状を客観的に把握せずに経営しているという深刻な問題です。

多くの社長が抱える「決算書への違和感」

予め断っておきますが、これは社長を責めているわけではありません。創業社長の多くは、素晴らしい商品やサービスを世に届けたいという純粋な想いで起業されています。財務の専門家になりたくて起業したわけではないのですから、初期段階で決算書に詳しくないのは当然のことです。

問題は別のところにあります。多くの経営者が:

  • 自分の感覚と税理士が作る決算書の数字がなんとなく違うと感じている
  • そのような違和感を抱きながらも、税理士に詳しく聞くことはない
  • 「そんなものか」と思いながら経営している
  • 決算書は年に一度、税務申告のためだけに作成される道具だと思っている
⚠️ 警告:「なんとかなるだろう病」の危険性
この状況こそが、私が「なんとかなるだろう病」と呼ぶ、現代日本の中小企業経営の最大の病理なのです。

会計がわからないから現実に対峙できない。だから「なんとかなるだろう」という希望的観測に依存してしまう。

しかし、現実は厳しいものです。会社はお金がないと生き残れません。

脳科学が証明した「4ヶ月で財務センスが身につく」科学的事実

🧠 理化学研究所×富士通研究の革命的発見

将棋のプロ棋士の直観的思考回路を特定した研究で、才能神話が完全に否定されました!

将棋未経験者20名を4ヶ月訓練した結果→プロと同じ直観回路が発達

💡 経営への直接応用

  • プロ棋士の直観 = 名経営者の数字感覚
  • 盤面を見た瞬間の「危険察知」 = 数字を見た瞬間の「経営リスク察知」
  • 反復練習による確実な習得可能性

つまり、適切な訓練により誰でも「財務の直観力」を身につけることができるのです!

礼記の教え「入りを量りて出を制す」に学ぶ財務の本質

📜 古典の叡智

古典『礼記』には、「入りを量りて出を制す」という言葉があります。

これは「収入の額を正確に計算し、それに応じた支出を行う」という意味で、2000年以上前から変わらない経営の根本原則です。

陽明学者たちの実践的財務改革

江戸末期、この原則を「知行合一」の精神で徹底実践した人物たちがいました。

🏯 山田方谷(備中松山藩)の改革

  • 単なる質素倹約ではなく、産業奨励で攻めの経営
  • 計画的な借り入れ交渉で戦略的ファイナンス
  • 人事の断行で組織改革

🌾 上杉鷹山(米沢藩)の手法

  • 漆・紅花・織物業の振興で収益源多角化
  • 債権者との信頼関係構築による返済計画見直し
  • 能力主義による人材登用

💰 二宮尊徳の「分度」思想

  • 「分度」による計画的な収支管理
  • 新田開発・治水事業による生産性向上
  • 報徳仕法による地域経済活性化
彼らに共通するのは、頑張ったのではなく、考えて行動したことです。

感情論や精神論ではなく、数字という現実と徹底的に向き合い、その上で戦略的な判断を下していったのです。

税務会計の「有害性」を知っていますか?

多くの社長が知らない重要な事実があります。

それは、税務会計で作られた決算書が、いかに経営判断に有害かということです。

税務会計と管理会計の決定的な違い

税務会計の目的 管理会計の目的
税務申告のための数字作り 経営判断のための情報提供
税金を適正に計算する 未来の戦略を決定する
過去の実績を正確に記録する 会社の実態を正確に把握する
税務署への報告義務を果たす 社長の意思決定をサポートする

多くの中小企業では、税務会計で作られた数字で経営判断しようとしています。

これは例えるなら、後ろ向きの運転で車を走らせようとするようなものです。過去を見るための道具で、未来を決めようとしているのです。

社長にしかできない「財務の仕事」とは?

近年注目されている経営者・近藤宣之氏(日本レーザー会長)は、明確にこう言い切っています。

「社長の仕事は人事と財務」

なぜでしょうか?

財務における「調達と運用と適正化」を考えられるのは:

  • 外部の人ではありません
  • 従業員でもありません
  • 経理担当者でもありません

社長しか責任を持てないからです。

稲盛和夫氏のJAL再建に学ぶ

✈️ JAL破綻時の有名なエピソード

稲盛和夫氏がコスト削減を指示した時、部下から「安全はどうするのですか?」と問われました。

稲盛氏の答えは明確でした:「どちらもだ!」

これこそが経営の本質です。

当時のJALは「安全」という名の下に、コスト管理がほとんどされていませんでした。パイロットがハイヤーを使うなど、およそ経営とは言えない状況だったのです。

人を大切にすることと、徹底した財務管理は対立するものではありません。両立しなければならないのです。

なぜなら、会社が倒産すれば、すべての人が路頭に迷うからです。

「数字を見ることは冷酷だ」「人間味がない」

このような声をよく聞きます。

しかし、論語とそろばんを出すまでもなく、金の計算ができない人が経営などできるわけがありません

両方必要に決まっているのです。

「収益満開経営」で実現する真の経営力

和魂:日本古来の叡智

  • 二宮尊徳の道徳経済合一:道徳なき経済は罪悪、経済なき道徳は寝言
  • 渋沢栄一の論語とそろばん:道徳と利益の本質的統合
  • 陽明学の知行合一:知識と行動の一体化による真の成果創出

洋才:現代の科学的手法

  • 財務分析・ファイナンス理論:数字による客観的現状把握
  • 脳科学・認知心理学:学習効果の科学的最大化
  • 統計学・データ分析:感情に左右されない意思決定
この統合により実現するのは、
個人の努力に依存しない、仕組みで勝つ経営です。

科学的根拠に基づく3つのステップ

🧠 ステップ1:脳科学的現状認識(入りを量る)

理化学研究所の研究に基づき、直観的財務力を育成します:

  • 月次損益の実態把握:毎月の本当の収支を知る
  • キャッシュフローの見える化:現金の流れを追跡する
  • 借入と返済計画の整理:債務の全体像を掌握する

📊 ステップ2:認知心理学的学習法(出を制す)

市川理論による内発的動機づけで持続的成長を実現:

  • 管理会計の基本習得:税務申告用ではない会計を学ぶ
  • 経営指標の設定:売上・利益・効率性の適切な測定
  • 税理士との対話改革:経営相談ができる関係構築

⚡ ステップ3:「知行合一」の実践(継続的改善)

陽明学の教えに基づき、学んだことを確実に行動に移します:

  • 月次レビューの実施:数字の変化を定期的に確認
  • 戦略的意思決定:データに基づく計画的判断
  • 組織への浸透:社員も含めた財務意識の向上

近江商人の「三方よし」の真実と現代への警鐘

⚠️ 重要な歴史的事実

現在広く知られている「三方よし」は、実は1988年に作られた造語です。

近江商人は実際には「近江泥棒」と呼ばれるほど徹底した利益追求を行っていました。

🏪 近江商人の実際の商売十訓

  1. 「商売は世のため、人のための奉仕にして、利益はその当然の報酬なり」
  2. 「店の大小よりも場所の良否、場所の良否よりも品の如何」
  3. 「売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永遠の客をつくる」
  4. 「資金の少なきを憂うなかれ、信用の足らざるを憂うべし」
  5. 「無理に売るな、客の好むものも売るな、客のためになるものを売れ」
  6. 「良きものを売るは善なり、良き品を広告して多く売ることはさらに善なり」
  7. 「紙一枚でも景品はお客を喜ばせる、つけてあげるもののないとき笑顔を景品にせよ」
  8. 「正札を守れ、値引きは売価の安い証拠、安心して買い物されるお客様こそ良い客」
  9. 「今日の損益を明らかにしないでは寝につかぬ習慣にせよ」
  10. 「商売には好況、不況はない、いずれにしても儲けねばならぬ」

注目すべきは第9条:毎日の財務管理が江戸時代から経営の基本だったのです。

ビッグモーター事件に見る「義なき利」の末路

💥 現代の反面教師

2023年のビッグモーター事件は、まさに「義なき利」の末路を示しています。

  • 短期的な利益追求のための不正行為
  • 顧客の信頼を裏切る組織的な詐欺
  • 結果:ブランド価値の完全な失墜と経営破綻

近江商人なら絶対にしなかった経営判断です。

📜 渋沢栄一の警告

「富をなす根源は何かと言えば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ」

これは100年以上前の言葉ですが、現代でも全く変わらない真理です。

科学的証明:なぜ「報酬志向」は失敗するのか

🔬 デシ・レッパーの革命的実験(1971年)

ソマ・パズル実験の衝撃的結果:

  • 報酬ありグループ:監督者退室後すぐパズル中止
  • 報酬なしグループ:自発的にパズル継続

結論:外的報酬は内発的動機を破壊する!

財務コンサルティングへの応用

従来の間違ったアプローチ(報酬志向) 收益満開経営の科学的アプローチ
「融資が通るから財務を学びましょう」 自律性の確保:社長自身の必要性認識
「補助金がもらえるから事業計画を」 有能感の育成:段階的成功体験
結果:一時的効果のみ、持続性なし 関係性の構築:共に成長する伴走関係

まとめ:「なんとかなるだろう」から「必ずうまくいく」へ

現状認識こそスタートです。

数字という客観的な現実から目を背けることは、「なんとかなるだろう」という漠然とした希望的観測を生み出します。

しかし、2000年前の『礼記』の時代から、「入りを量りて出を制す」という普遍的な真理は変わっていません。

江戸末期の陽明学者たちが実践し、現代の稲盛和夫氏や近藤宣之氏が体現しているように、真の経営者は必ず財務を理解しているのです。

理化学研究所の脳科学研究が証明:
適切な訓練により、4ヶ月で経営者レベルの財務直観力は身につきます。
これは才能ではなく、科学の世界です。

🌸 「收益満開経営」個別相談受付中

古典の叡智と最新の脳科学研究を融合した「收益満開経営」について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。

30社以上の支援実績をもとに、あなたの会社に最適な財務改善策をご提案いたします。

理化学研究所の研究が証明した「4ヶ月で財務センスが身につく」科学的メソッドを、直接お伝えします。

個別相談はこちら