月次試算表で分かる7つの経営実態把握法

2021.01.13

月次試算表で分かる7つの経営実態把握法

99%の社長が知らない財務の真実
📅 更新日:2025年9月13日

📖 読了時間:約6分 | 📊 対象:月次試算表の把握に不安のある社長

🎯 この記事を読む前に考えてください
「あなたの会社の月次試算表を今すぐ見せてください」と言われたら、何分で対応できますか?30分以内に対応できない場合、あなたの会社は99%の「なんとかなるだろう経営」に陥っている可能性があります。

📜 二宮尊徳の教え
「計算を明らかにし、記録を正確にし、いつでも確認できる状態にしておく」江戸時代の経世家・二宮尊徳は、600以上の村や藩の復興において「詳細な記録と即座の確認」を最重視しました。現代の経営でも、自社の状況を即座に把握できる体制こそが、持続的繁栄の基盤なのです。

🌸 なぜ月次試算表で経営実態が分かるのか?

4年間で30社以上の財務改善を手がけて分かった、経営状況を一瞬で見抜く方法があります。それは決算書の数字を見る前に、「月次試算表への対応速度」でわかってしまうのです。

⚠️ 危険な兆候チェックリスト

  • 「月次試算表を見せて」→「税理士に聞いてみます」
  • 「売掛金台帳はありますか?」→「どこにあるかわからない」
  • 「在庫の管理表は?」→「だいたいの感覚で…」
  • 「資金繰り表は?」→「作ったことがありません」
  • 「銀行借入の一覧表は?」→「複数の担当者に確認が必要で…」

一つでも当てはまる場合、あなたの会社は「なんとかなるだろう経営」の危険ゾーンにいる可能性があります。

📊 月次試算表で分かる7つのチェックポイント

7つの実態把握チェックポイント

1

月次試算表の準備時間

危険サイン:「税理士に確認します」「1週間ください」
安全状態:「すぐに出せます」「昨日までの数字が分かります」月次試算表は会社の健康診断書です。これを即座に出せない状態は、自分の健康状態を把握していない人と同じ。売上好調でも、実際の利益や資金の動きが分からなければ、黒字倒産のリスクが高まります。

根本原因経営者が「財務は税理士の仕事」という思い込みを持っていること。しかし、会社の数字を最も理解すべきは経営者自身です。

2

売掛金・買掛金の把握状況

危険サイン:「大体は把握している」「担当者任せ」
安全状態:「顧客別・取引先別の詳細を把握」売掛金と買掛金は資金繰りの生命線です。「売上は上がっているのにお金がない」という状況の多くは、売掛金の増加が原因です。

実例:ある年商3億円の製造業では、売掛金管理を軽視した結果、売上30%増にも関わらず資金ショートの危機に陥りました。

3

在庫管理の精度

危険サイン:「目視で確認」「だいたいの感覚」
安全状態:「リアルタイムで数量・金額を把握」在庫は「資金の化石」です。適正在庫を超えた部分は、すべて資金を寝かせている状態。多くの社長は「品切れリスク」を恐れて過剰在庫を抱えがちですが、その結果、資金繰りが悪化するケースが非常に多いのです。

4

資金繰り表の存在

危険サイン:「作ったことがない」「勘で判断」
安全状態:「3ヶ月先まで予測可能」資金繰り表は会社の「天気予報」です。天気予報なしに傘を持参するかどうか判断できないように、資金繰り表なしに経営判断はできません。

5

借入金一覧の更新状況

危険サイン:「複数の担当者に確認が必要」「正確な残高が不明」
安全状態:「銀行別・返済予定まで一覧で管理」借入金の管理は、会社の財務安全性を測る重要な指標です。借入金の残高、返済予定、金利状況を正確に把握していない状態は、自分の借金を把握していない個人と同じです。

6

固定費の詳細把握

危険サイン:「大まかにしか分からない」「まとめて把握」
安全状態:「項目別・月別の詳細管理」固定費は会社の「体重」です。体重を測らずにダイエットができないように、固定費を正確に把握せずに収益改善はできません。

7

経営数字の共有状況

危険サイン:「社長だけが知っている」「幹部にも教えない」
安全状態:「必要な情報を必要な人と共有」経営数字の共有は、チーム全体での目標達成を可能にします。情報を独占する社長のもとでは、社員は「何をすれば会社が良くなるのか」が分からず、結果として生産性が低下します。

🧠 脳科学が証明:なぜ社長は数字を避けるのか?

🔬 認知心理学の研究が明かす真実

理化学研究所の研究によると、人間の脳は「不確実性回避」という本能を持っています。経営数字の把握を避ける社長の心理も、この本能に基づいています。

回避理由の3つのパターン:

  1. 確証バイアス:都合の良い情報だけを受け入れたい欲求
  2. 損失回避:悪い数字を見ることへの恐怖
  3. 認知的負荷:複雑な数字を処理することへの疲労

しかし、市川伸一教授(東京大学)の学習心理学研究では、「正確な現状把握」が「適切な問題解決」の前提条件であることが実証されています。つまり、数字から逃げることは、問題解決能力の放棄を意味するのです。

🎯 今日からできる実践ステップ

【即効性重視】現状チェック(今日中に)

  • 月次試算表:最新版がすぐ出せるか確認
  • 売掛金台帳:顧客別の回収状況確認
  • 在庫一覧:数量と金額の正確性確認
  • 借入金一覧:銀行別の残高・返済予定確認
  • 固定費一覧:契約別の支払状況確認

【体制構築】管理システム構築(1週間以内)

  • 担当者明確化:各資料の更新責任者を決定
  • 更新スケジュール:月次での確認日程を設定
  • 共有方法:必要な情報の社内共有ルールを策定
  • 税理士との役割分担:記録と経営判断の分離

📊 成功事例:劇的変化を遂げたA社

📖 年商3億円・製造業A社の変革ストーリー
❌ 改善前の状況
  • 月次数字の把握に2週間
  • 資金繰り表なし(勘で経営)
  • 売掛金の詳細不明
  • 意思決定に1ヶ月
  • 社員は会社の状況を知らない
✅ 改善後の状況
  • リアルタイムでの数字把握
  • 3ヶ月先まで資金繰り予測
  • 顧客別回収状況を詳細管理
  • 即座の意思決定が可能
  • 全社員が月次目標を共有
📈 具体的な成果
・新規事業の立ち上げスピード:3倍向上
・資金繰り不安の解消:完全になくなった
・売上成長:2年で30%アップ
・社員のモチベーション:明らかに向上
・銀行からの信頼:格段に向上し、より良い条件での融資が可能に

🏯 近江商人の「帳合精神」に学ぶ

📚 300年実証済みの経営の叡智

江戸時代から明治にかけて活躍した近江商人は、「正確な帳簿管理」を何よりも重視しました。彼らの商売繁盛の秘訣は、まさに現代の「経営実態把握」と同じです。

近江商人の3つの原則:
1. 売り手よし:正確な利益把握による商売継続
2. 買い手よし:適正価格による顧客満足
3. 世間よし:持続的な商売による社会貢献

現代の「収益満開経営」も、この帳合精神から始まります。数字を正確に把握し、継続的に改善する姿勢こそが、300年にわたって実証された成功の法則なのです。

🌸 まとめ:収益満開経営への第一歩

1. 経営の実態は、決算書よりも「月次試算表への対応速度」に現れる

2. 7つのチェックポイントで、99%の問題は事前に発見できる

3. 古典の叡智と現代科学が、同じ真理を証明している

4. 「なんとかなるだろう」から「数字で語れる経営」への転換が、持続的繁栄の鍵

🌸 収益満開経営への道のり

「月次試算表30分以内準備」から始まる経営変革

数字を正確に把握し、継続的に改善する姿勢こそが、2200年の日本に繁栄を残す第一歩となることを確信しています。

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💡 経営実態把握マスターガイド:これらの記事を順番に読むことで、月次試算表の完全把握から継続的改善まで、体系的に学習できます。特に売掛金管理の詳細は、今回の7つのポイントを実践する上で欠かせない知識です。

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合同会社エバーグリーン経営研究所 長瀬好征
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