「あなたの会社の月次試算表を今すぐ見せてください」と言われたら、何分で対応できますか?30分以内に対応できない場合、あなたの会社は「なんとかなるだろう経営」に陥っている可能性があります。
30社以上の財務改善を手がけて分かった、経営状況を一瞬で見抜く方法があります。それは決算書の数字を見る前に、「月次試算表への対応速度」でわかってしまうのです。試算表そのものは税理士が作成してくれます。しかし、その試算表をすぐに見せられるかどうか、その内容を自分の言葉で説明できるかどうかは、税理士の仕事ではなく、社長自身の経営姿勢の表れです。
一つでも当てはまる場合、あなたの会社は「なんとかなるだろう経営」の危険ゾーンにいる可能性があります。
「計算を明らかにし、記録を正確にし、いつでも確認できる状態にしておく」
江戸時代の経世家・二宮尊徳は、600以上の村や藩の復興において「詳細な記録と即座の確認」を最重視しました。現代の経営でも、自社の状況を即座に把握できる体制こそが、持続的繁栄の基盤なのです。
「試算表は税理士に任せている」という社長の発言は、実は2つの異なる意味を持ちます。1つは「作成作業を委託している」という正当な業務分担です。もう1つは「内容を把握する責任も放棄している」という危険な依存状態です。この2つを混同していることが、多くの社長が経営実態を見失う根本原因です。
「試算表をすぐ見られるようにしましょう」と提案しても、すぐに実行に移せる社長は多くありません。ハーバード・ビジネス・スクールのジョン・P・コッターが示した「変革の8段階」が、この停滞の理由を説明します。
「変革の失敗の多くは、最初の段階——変革への切迫感の醸成——が不十分なまま、行動だけを変えようとすることに起因する。『なぜ変えなければならないのか』を本人が痛感していなければ、習慣は元に戻る」
— ジョン・P・コッター(Leading Change, Harvard Business Review Press)
「月次試算表をすぐ出せるようにしてください」という助言だけでは、社長の行動は変わりません。なぜ変える必要があるのか——「試算表を見ないことで、すでにどれだけの機会損失や資金繰りリスクを抱えているか」という切迫感を、社長自身が数字で実感することが第一段階です。本記事の7つのチェックポイントは、この「切迫感」を自分で測定するための診断ツールとして使うことができます。
新規事業の立ち上げスピード3倍向上、資金繰り不安の完全解消、2年で売上30%アップ、社員のモチベーション明らかに向上、銀行からの信頼が格段に向上し、より良い条件での融資が可能になりました。
江戸時代から明治にかけて活躍した近江商人は、「正確な帳簿管理」を何よりも重視しました。彼らの商売繁盛の秘訣は、まさに現代の「経営実態把握」と同じです。「日々損益を明らかにしないでは寝につかぬ」という言葉が示すように、毎日の数字確認を習慣として徹底していました。
現代の「収益満開経営」も、この帳合精神から始まります。数字を正確に把握し、継続的に改善する姿勢こそが、300年にわたって実証された成功の法則なのです。
1. 経営の実態は、決算書よりも「月次試算表への対応速度」に現れる
2. 7つのチェックポイントで、多くの問題は事前に発見できる
3. コッターが示すように、行動を変えるにはまず「切迫感」を自分の数字で実感することが出発点
4. 「なんとかなるだろう」から「数字で語れる経営」への転換が、持続的繁栄の鍵
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合同会社エバーグリーン経営研究所
経営コンサルタント 長瀬好征
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