2023年10月以降の中小企業に対する資金繰り支援について、
「中小企業応援パッケージ」が8月30日に経済産業省、金融庁、財務省
の3つの政府機関が共同で発表しました。発表されました。
このプランには、大まかに2つの要素が含まれています。
まず、1つ目は中小企業の資金繰り支援です。もう1つは経営改善と事業
再生のサポートです。
新しい政策として注目すべき要素は、むしろ後者の部分です。
ただ、多くの中小企業にとって興味があるのは、資金繰り支援でしょう。
なので、今回はそちらに焦点を当てて説明していきます。
この資金繰り支援には4つの措置が含まれています。
これらの措置は、新しい政策ではなく、既存の支援策が延長です。
新規融資に関する新たな政策が存在しないのは、予想通りでした。
なぜなら、既にコロナ特例貸付けにより、通常の融資限度額を大幅に超える融資が行われており、
それに対して返済は進んでいないため、新たな融資政策が必要ないからです。
「困ったときはコロナ特例貸付けが再び行われるだろう」という期待は、実際には現実的でない
ことをいい加減に理解すべきです。
この幻想に頼ることは、経営者にとっては問題です。
具体的な政策について説明が必要なのは、主に1と2の項目です。
1のセーフティネット保証4号の借り換えについては、新たな融資を希望していないという状況か
ら理解しやすいものです。多くの中小企業は長期間にわたり据置きをしており、返済が進んでい
ないため、新規融資を認めても政策として意味がありません。
一方、セーフティネット保証4号で特別貸付けを受けている企業は多いため、ゼロゼロ融資の返
済が難しい場合等に、借り換えによるを促進するための措置です。
これがないと保証料の負担が重くなり、借換を行うことができないからです。
ただし、これも延長の措置です。
次に、2の資本性劣後ローンの上限拡大と延長についてです。延長期間については不明確な部分
があり、実務でサポートするのが難しい状況でした。
したがって、2024年3月末までの期限が明確にされたとで、相談に乗る際にハッキリとした対応
ができるようになるので、実務的に意味があると思います。
ただ、上限拡大に関しては、年商が50億円近い中小企業に限られるため、殆どの中小零細企業
には関係ありません。
しかし、国が再生支援を続けることで、リスクを負ってでも中小企業のサポートをしたいという
姿勢を示してはいます。
要するに、資金繰り支援に関しては、既存の政策が継続されていますが、新規融資に関しては新
しい政策は存在しません。
このプランは、令和4年度の第2次補正予算の延長であり、特例的な措置が今年度末まで続けられ
ることが明確になったということです。