中小零細企業の社長が悩んでいるのが、「お金」のこと、要は資金繰りだと思います。
現場で財務改善を支援している財務コンサルタントが、
資金繰りを改善する手法を伝えていきます。
その1 売上債権の早期回収
資金繰りを改善するのに最短で効果が出るのは、売上を早く回収することです。
会社を経営する上で、お金の出入りがうまくいかないと大変なことになります。売上は上がっているのに、実際にお金が入ってこないと、給料や仕入れ代の支払いなどができなくなってしまうからです。
先程の、売上債権とは、お客様に商品やサービスを売った代金の未回収分のことを言います。売掛金とも言います。
例えば、お客様に100万円分の商品を売ったけれど、まだ50万円しか払ってもらえていない場合、残りの50万円が売上債権になります。
この売上債権を早くお客様から回収できれば、会社に現金が入ってきてお金の心配がなくなります。逆に回収が遅れると、給料や仕入れ代を払えなくなって、最悪の場合は倒産してしまうリスクもあるのです。
実際、景気が悪くなると、お客様の支払いが遅れがちになり、会社の資金繰りが厳しくなります。そういう時こそ、売上債権の早期回収に力を入れる必要があります。
具体的には、請求の仕方を工夫したり、支払い遅れのお客様に働きかけて早く払ってもらうよう頑張ったりします。大切なお客様には、個別に支払い条件を交渉することもあります。
売上債権を早く現金化できれば、新しい事業に投資したり、借金を返済したりできるので、会社の成長にもつながります。反対に、回収が遅れると利益を圧迫したり、資金不足で成長が止まったりしてしまいます。
このように、売上債権の早期回収は、会社の命運を左右する重要な取り組みなのです。社長から従業員まで、全員で知恵を出し合い、しっかりと取り組む必要があります。