資金繰りを改善する手法 その3固定費の削減

2024.05.04

中小零細企業の社長が悩んでいるのが、「お金」のこと、要は資金繰りだと思います。

現場で財務改善を支援している財務コンサルタントが、

資金繰りを改善する手法を伝えていきます。

 

3 固定費の削減

固定費の削減は資金繰りを改善するための効果的な手段の一つですが、

単に固定費を無理やり切り詰めるのではなく、適切な水準を見極めることが重要です。

 

まずは、メリットから見ていきましょう。 固定費を削減することで、毎月の現金支出

が減少します。

これにより、資金繰りの窮屈さが和らぎます。

また、売上は変わらずに費用が減れば、利益率が向上します。

収支の改善につながり、資金の余裕が生まれます。

さらに、固定費の見直しを行う際に、無駄な支出がないか確認できるため、経営の効率

化を図れます。

 

一方で、注意すべき点もあります。 固定費を削減しすぎると、本業の維持や成長に影響

が出る可能性があります。

人件費を大幅に削ると、優秀な人材が流出し、サービス品質の低下につながりかねません。

また、将来の事業拡大の芽を潰してしまう恐れもあります。

例えば、設備投資や研究開発費を切り詰めすぎると、新製品開発や新規事業に支障をきたす

可能性があるのです。

そのため、適正な固定費水準を見極める必要があります。

過去のデータから最低限必要な固定費を算出し、それを下回らないよう気をつけましょう。

一方で、無駄な支出は徹底的に排除します。

また、今後の事業計画に合わせて、固定費の水準を柔軟に見直していくことも大切です。

例えば、人件費の削減は従業員のモチベーションダウンにつながるリスクがありますが、

部門ごとの人員配置を最適化したり、作業の効率化を図ったりすれば、人件費の抑制と

士気の維持が両立できるかもしれません。

設備投資費についても、本当に必要なものに注力し、優先順位をつけることで無駄を省

くことができます。

このように、固定費の削減は一時的な対策ではなく、常に適正水準を追求し続ける経営

努力が重要です。事業の現状や将来の展望を捉えながら、バランスの取れた固定費削減

を心がける必要があります。

 

単なるコスト削減ではなく、経営の効率化の好機ととらえることが大切なのです。

したがって、基本はやはり会計資料を読めるようになることが重要というのは変わり

ません。