中小企業の社長にとって気になるのは「お金」のこと、つまり、「資金繰り」
だと思います。
現場で財務改善を支援している財務コンサルタントが、
資金繰りを改善する手法を説明します。
6 借入金の返済条件の交渉
多くの日本の中小零細企業は銀行から融資を借りていると思います。
特に、コロナ禍において、非常に借入条件が緩和されたコロナ特別貸付
を利用している会社が殆どなのでしょうか?
しかし、人手不足や物価高が続くなか、マイナス金利政策が解除されるなど、
企業を取り巻く事業環境は大きく変化しています。
そして、殆どの会社が返済を開始していて、返済を当初の約束通りに返済する
のは難しいのが現状なのでしょうか?
その際には、銀行と返済条件の変更、いわゆる「リスケ」交渉をすることが
資金繰りを改善する手法の一つとして考えられるます。
【メリット】
- 月々の返済額を減らせる 例えば、残りの返済期間を5年から10年に延長すれば、月々の返済額は約半分になります。収入に合わせて無理なく返済できるよう調整できます。
- 総返済額が減る可能性
利息の値下げを交渉できれば、総返済額が抑えられます。場合によっては、一部の返済を免除してもらえるかもしれません。そうすれば返済総額がグンと軽くなります。
- しばらく返済を止められる 売上が落ち込んでいるなど一時的に収入が減った時に、返済を数ヶ月から1年程度猶予してもらえれば、その間は返済に充てる資金を他の運転資金に振り分けられます。
- 債権者との関係が良好に 条件変更交渉で理解を示してもらえれば、債権者は協力的になってくれるでしょう。支払い滞納などのトラブルを未然に防げ、今後の取引にも好影響がでます。
【デメリット】
- 長期的な負担増 返済期間が2倍の10年になれば、支払う利息の総額も約2倍になります。短期的には楽になりますが、長期的にはかなりの負担増となります。
- 追加の担保を求められるかも 不動産や御社の預金残高などを新たに担保として差し出すよう要求される可能性があります。保有する資産がロックされてしまうリスクがあります。
- 交渉は難しい場合も 債権者次第では「条件変更は認められない」と一蹴される恐れがあります。経営内容や与信審査状況によっては、交渉自体が難航するかもしれません。
- 信用力が下がるかも 返済条件の緩和を求めていることで、債権者側に「この企業は財務内容が悪化している」と信用力の低下を疑われてしまう可能性があります。
状況に合わせて、メリット・デメリットを慎重に検討し、
長期的な視点も持って判断することが肝心です。
交渉材料を準備し、債権者との信頼関係を損なわないよう注意が必要となります。
つまり、リスケをするにも、事業計画を作成するなど準備をして、交渉に臨む
必要があります。
ただ、「お願いします」では、会社にとって望ましいとは言えない状況を招く
可能性があります。