急に東京は暑くなってきました。
ただ、どうも僕は寒く感じるのですよね。
まだ、コンディションがよくないようです。
さて、Zoomで話すことが多いので最近は引きこもりのような生活を
していますが、久しぶりに知り合いに誘われて、先日社長の集まり
みたいなものに参加することがありました。
その時
「財務ですか。うちは税理士にすべて任せていますので、大丈夫です!」
といわれました。
何が大丈夫なのかは分かりませんが、聞かれてもいないので、
「そうですか。」とだけ言ってわかれました。
僕にとってはいつものフレーズです。
正直、99%の社長が成長できないのはこの思い込みです。
「税理士に任せているから大丈夫」。
この言葉は、一見すると専門家に仕事を任せる合理的な判断のように思える
かもしれません。
しかし、この考え方は実は大きな経営リスクを孕んでいます。
会社の財務状況は、あらゆる経営判断の基盤となる情報です。
「売上を増やすべきか」
「コストを削減すべきか」
「投資すべきか」
—これらはすべて財務情報に基づいて判断されるべきです。
税理士任せにすると以下のような問題が発生します:
ある会社では社長が全ての財務を税理士に任せていました。
税理士は3ヶ月に一度しか訪問せず、その間に売掛金が急増していることに
気づかなかったため、資金ショートに陥りました。
事前に気づいていれば対策を講じられたはずです。
税理士の最大の関心事は「適正な税務申告」です。
一方、経営者に必要なのは「経営判断のための情報」です。
この目的の違いが重大な問題を生み出します。
税理士任せにすると以下のような問題が発生します:
ある会社では税理士のアドバイスで節税のため多額の設備投資を行いました。
確かに法人税は減りましたが、その結果資金が枯渇し、運転資金の確保に窮する
ことになりました。
税務と資金繰りのバランスが取れていなかったのです。
多くの税理士事務所は、月次決算に数週間、四半期決算に1ヶ月以上かかることもあります。
この遅れが経営判断の質を著しく低下させます。
税理士任せにすると以下のような問題が発生します:
ある会社は四半期ごとに税理士から財務報告を受けていましたが、その度に
「すでに手遅れ」な問題が発見されていました。
大口顧客の支払い遅延に3ヶ月後に気づいたときには、その顧客はすでに
倒産手続きに入っていました。
社長にとって最も重要な財務感覚は「お金の流れ」を把握する能力です。
これは日々の実践でしか養われません。
税理士任せにすると以下のような問題が発生します:
ある会社の社長は「毎月利益が出ている」という税理士の報告を信じ、
安心していました。
しかし実際には売掛金が増加し続け、現金は減少。
気づいたときには借入金なしでは給料も支払えない状態になっていました。
財務諸表は単なる「記録」ではなく、経営改善のための「道具」です。
これを活用できないことは、大きな機会損失です。
税理士任せにすると以下のような問題が発生します:
ある会社の決算書を分析したところ、同業他社に比べて在庫回転率が著しく
低いことが判明しました。
しかし社長は税理士から提出される決算書を「見るだけ」で分析していなかった
ため、この問題に長年気づかず、多額の資金を滞留在庫に縛り付けていました。
「税理士に任せているから大丈夫」という安心感は、実は最大の経営リスクです。
財務を丸投げすることは、自ら会社を倒産の道へと進ませているようなものです。
財務の見地から利益と売り上げを上げて、資金繰りを改善するのが社長の重要な仕事です。
税理士は資金繰り改善についての専門知識を必ずしも持っているわけではありません。
税理士・会計士の試験科目にそのような内容はないのです。
社長自身が財務に対する当事者意識を持ち、財務の専門家と協働しながら会社経営をしない
限り、健全な資金繰りを持つ会社を築き上げることはできません。
税理士は重要なパートナーですが、経営の責任を「任せる」相手ではないのです。