📅 最終更新:2025年7月28日
※ メルマガ版をブログ用に再構成し、より詳細な日々損益管理の実践方法を追加
300年前の近江商人が実践していた「日々損益管理」の智恵で解決
「今月も売上目標を達成したのに、なぜか手元にお金がない…」こんな悩みを抱えている社長は、実に8割を超えます。一体なぜでしょうか?
答えは簡単です。「日々損益管理」を実践していないからです。
現代の経営者の多くが月次決算や四半期決算に頼る中、江戸時代の近江商人は毎日必ず日々損益管理を実践してから食事を取っていました。この日々損益管理の習慣こそが、300年にわたる繁栄を支えた真の秘密だったのです。なぜ現代の8割の社長が「売上好調なのに手元にお金がない」という深刻な資金繰り危機に陥るのか、その根本原因と劇的な解決策を、近江商人の日々損益管理システムから学んでいきましょう。
近江商人の商売十訓第9条にこうあります:
「常に考えよ、今日の損益を。今日の損益を明らかにしないでは寝につかぬ習慣にせよ」
これは単なる精神論ではありません。彼らは文字通り、毎日夕食前に帳合(現在の帳簿)を完成させ、その日一日の日々損益管理を必ず確認してから食事をとっていたのです。
もし帳合が終わらなければ、夕食抜きでも作業を続けました。現代の社長で、食事より日々損益管理を優先する人が何人いるでしょうか?
驚くべきことに、近江商人は既に江戸時代中期から「和式帳合」という複式簿記システムによる日々損益管理を確立していました。これは西洋の複式簿記と同等、いや、それ以上に精密なシステムでした。
近江商人の日々損益管理システムは現代の財務管理を遥かに上回る精密さでした:
これらすべてを、300年前の商人が毎日の日々損益管理で実践していたのです。
一方、現代の多くの社長はどうでしょうか?日々損益管理を怠ることで、深刻な経営危機を招いています。
これでは、日々損益管理を徹底していた近江商人に笑われてしまいます。月次の確認では、すでに手遅れです。現代の経営者こそ、日々損益管理による精密な財務統制が求められているのです。
では、具体的にどのような日々損益管理を実践すればよいのでしょうか?
この数字が日々どう変化しているかを日々損益管理で把握することで、資金繰りの予兆を早期発見できます。
日々損益管理を今日から始める方は、毎日帳簿を閉める前に、この3つを確認してください:
基本の日々損益管理に慣れた方は、上記に加えて:
近江商人は、先を見通す能力に長けていました。現代で言う「資金繰り表」を頭の中で作成し、常に3ヶ月先までの資金状況を日々損益管理と連動して把握していたのです。
これを毎日更新することで、日々損益管理の成果として資金ショートを事前に防ぐことができます。
渋沢栄一も日々損益管理の重要性について同様のことを言っています:
「算盤(そろばん)なき論語は戯言であり、論語なき算盤は卑しい」
道徳的な経営も大切ですが、それを支える正確な数字の把握が前提となる、という意味です。近江商人の日々損益管理の習慣は、まさにこの「算盤」の部分を実践していたのです。現代においても、真の経営者は日々損益管理によって「論語と算盤」の両立を実現する必要があります。
まずは今日、以下の日々損益管理を確認してください:
この5つの数字を毎日寝る前に確認する日々損益管理の習慣をつけてください。
日々損益管理を導入した企業では、以下のような劇的な改善が実現されています:
Before: 月次確認で常に資金不足、借入依存の経営
After: 日々損益管理導入により資金繰り改善、借入残高30%削減
ポイント: 日々損益管理による早期発見と迅速な対応
Before: 売上好調でも手元資金不足、支払遅延が発生
After: 日々損益管理により在庫最適化、現金循環サイクル20日短縮
ポイント: 日々損益管理による在庫と現金の完璧な連動
近江商人が300年間にわたって繁栄を続けたのは、決して偶然ではありません。毎日の日々損益管理確認という基本的な習慣の積み重ねが、長期的な成功を支えたのです。
現代の経営者も、この日々損益管理の習慣を身につけることで、資金繰りの不安から解放され、本当の意味での「収益満開経営」を実現できるのです。特に重要なのは、日々損益管理を単なる数字確認ではなく、経営判断の基盤として活用することです。
「和魂洋才」による収益満開経営において、日々損益管理は以下の価値を提供します:
「二宮尊徳の『道徳経済合一説』」の精神に基づけば、日々損益管理は単なる利益追求ではなく、社会全体の繁栄に貢献する手段となります。2200年の日本に繁栄を残すという長期的視点で、日々損益管理を通じた真の経営力向上を目指しましょう。
『大学』に「苟に日に新たに、日日に新たに、又日に新たに」とあります。
一日一日を新たな気持ちで臨むためには、前日の結果をきちんと把握し、けじめをつけることが必要です。近江商人の日々損益管理は、まさにこの教えの実践だったのです。
良い一日をお過ごしください。
P.S.
「うちも日々損益管理をチェックしてみたい」という方は、簡単な資金繰り表テンプレートをご用意しています。お気軽にご連絡ください。
次回予告:第6回は「『家訓』に学ぶ一族経営の金銭規律」をお届けします。なぜ二代目、三代目が会社を潰してしまうのか?近江商人の厳格な金銭管理の仕組みから、現代の同族企業が学ぶべき日々損益管理の教訓を解説します。
合同会社エバーグリーン経営研究所 長瀬好征
「和魂洋才」による収益満開経営で、失われた30年を終わらせ、2200年の日本に繁栄を残す
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