既存債務対策の3つ目は、資本性ローン(DDS)の活用です。
用語説明しますと、「金融機関が企業の財務状況等を判断するにあたって、負債ではなく、資本とみなすことができる借入金である。」ということですが、余計難しく感じますね。
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2012/data/rel121226a7.pdf
「資本性借入」について
ただ、最近ニュースにチラホラでている、中小企業に対する永久劣後ローンは、この資本性ローンをさらに進めたものなんです。
この解説をし始めると長くなりますので、別の機会にでも。
中小企業を救うには「永久劣後ローン」が必要だ
さて、資本性ローンについてです。
これは政策金融公庫の融資制度の一つにあります。
名称としては、挑戦支援資本強化特例制度といいます。
融資期間は5年1ケ月以上15年以内です。(これは国民生活事業で、中小企業事業では少し異なります。)
挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)
特徴は、返済方法にあります、利子は毎月払いなのですが、元金は期限一括払いです。
例えば、期限7年で借入ると、月々の利子の返済はありますが、期間中の元本返済はありません。
7年後に一括して返済することになります。
ただし、利子は、1年ごとに決算状況に応じて変わります。
経常利益が5%以上出ていた場合には、利子率は5%を超えます。とはいっても、それだけ利益が出てれば支払えるはずです。利子率が高いという人もいるのですが、この制度は「資本」としてお金を融資(出資)しているので、利益が出たのならそれに見合う出資の配当をする、というと理解しやすいと思います。
ただ、最大のハードルは、資金繰り表、予想損益計算書、予想貸借対照表、予想損益・貸借を裏付ける精度の高い経営計画の作成でしょう。
これも財務と銀行取引に強い専門家にアドバイスを受けながら進めた方が良いでしょう。