なぜ99.9%の社長が財務を理解していないのか?中小企業が陥る「決算書の罠」と真の経営力

2020.06.01

📅 更新日:2025年12月31日

なぜ99.9%の社長が財務を理解していないのか?中小企業が陥る「決算書の罠」と真の経営力

先日、東京都内のある製造業社長との面談で、こんなやり取りがありました。

私:「社長、御社の粗利率は何%ですか?」
社長:「えっと…たぶん30%くらいだと思います」
私:「では、営業利益率は?」
社長:「う〜ん…税理士から聞いたような…5%くらい?」

この社長、年商8億円の会社を20年経営されています。しかし、自社の数字を「たぶん」「聞いたような」という言葉でしか答えられませんでした。

これは決して珍しいことではありません。私がコンサルティングで接した30社以上の社長のうち、自社の財務を正確に把握している方は、たった一人もいませんでした。

「売上は上がっているのに、なぜかお金が残らない…税理士が作る決算書の数字と、自分の実感が全然違う…」

もしあなたがこのような違和感を抱いているなら、それは決して珍しいことではありません。むしろ、その違和感こそが、会社を救う第一歩になるのです。

📖 読了時間: 約12分 | 📊 対象: 年商3〜10億円の中小企業社長 | 💡 実践度: ★★★★★

「なんとかなるだろう」では会社は生き残れない

普段、中小企業の社長と財務について話をしていて感じることがあります。それは、会社の現状を客観的に把握せずに経営しているという深刻な問題です。

多くの社長が抱える「決算書への違和感」

予め断っておきますが、これは社長を責めているわけではありません。創業社長の多くは、素晴らしい商品やサービスを世に届けたいという純粋な想いで起業されています。財務の専門家になりたくて起業したわけではないのですから、初期段階で決算書に詳しくないのは当然のことです。

問題は別のところにあります。多くの経営者が:

  • 自分の感覚と税理士が作る決算書の数字がなんとなく違うと感じている
  • そのような違和感を抱きながらも、税理士に詳しく聞くことはない
  • 「そんなものか」と思いながら経営している
  • 決算書は年に一度、税務申告のためだけに作成される道具だと思っている

⚠️ 警告:「なんとかなるだろう病」の危険性

この状況こそが、私が「なんとかなるだろう病」と呼ぶ、現代日本の中小企業経営の最大の病理なのです。

会計がわからないから現実に対峙できない。だから「なんとかなるだろう」という希望的観測に依存してしまう。

しかし、現実は厳しいものです。会社はお金がないと生き残れません。

脳科学が証明した「4ヶ月で財務センスが身につく」科学的事実

🧠 理化学研究所×富士通研究の革命的発見

将棋のプロ棋士の直観的思考回路を特定した研究で、才能神話が完全に否定されました!

研究内容: 将棋未経験者20名を4ヶ月訓練した結果→プロと同じ直観回路が発達

💡 経営への直接応用

  • プロ棋士の直観 = 名経営者の数字感覚
  • 盤面を見た瞬間の「危険察知」 = 数字を見た瞬間の「経営リスク察知」
  • 反復練習による確実な習得可能性

つまり、適切な訓練により誰でも「財務の直観力」を身につけることができるのです!

礼記の教え「入りを量りて出を制す」に学ぶ財務の本質

📜 古典の叡智

古典『礼記』には、「入りを量りて出を制す」という言葉があります。

これは「収入の額を正確に計算し、それに応じた支出を行う」という意味で、2000年以上前から変わらない経営の根本原則です。

陽明学者たちの実践的財務改革

江戸末期、この原則を「知行合一」の精神で徹底実践した人物たちがいました。

🏯 山田方谷(備中松山藩)の改革

  • 単なる質素倹約ではなく、産業奨励で攻めの経営
  • 計画的な借り入れ交渉で戦略的ファイナンス
  • 人事の断行で組織改革

🌾 上杉鷹山(米沢藩)の手法

  • 漆・紅花・織物業の振興で収益源多角化
  • 債権者との信頼関係構築による返済計画見直し
  • 能力主義による人材登用

💰 二宮尊徳の「分度」思想

  • 「分度」による計画的な収支管理
  • 新田開発・治水事業による生産性向上
  • 報徳仕法による地域経済活性化
彼らに共通するのは、頑張ったのではなく、考えて行動したことです。

感情論や精神論ではなく、数字という現実と徹底的に向き合い、その上で戦略的な判断を下していったのです。

税務会計の「有害性」を知っていますか?

多くの社長が知らない重要な事実があります。それは、税務会計で作られた決算書が、いかに経営判断に有害かということです。

税務会計と管理会計の決定的な違い

❌ 税務会計の目的

  • 税務申告のための数字作り
  • 税金を適正に計算する
  • 過去の実績を正確に記録する
  • 税務署への報告義務を果たす

✅ 管理会計の目的

  • 経営判断のための情報提供
  • 未来の戦略を決定する
  • 会社の実態を正確に把握する
  • 社長の意思決定をサポートする

多くの中小企業では、税務会計で作られた数字で経営判断しようとしています。

これは例えるなら、後ろ向きの運転で車を走らせようとするようなものです。過去を見るための道具で、未来を決めようとしているのです。

社長にしかできない「財務の仕事」とは?

近年注目されている経営者・近藤宣之氏(日本レーザー会長)は、明確にこう言い切っています。

「社長の仕事は人事と財務」

なぜでしょうか?

財務における「調達と運用と適正化」を考えられるのは:

  • 外部の人ではありません
  • 従業員でもありません
  • 経理担当者でもありません

社長しか責任を持てないからです。

稲盛和夫氏のJAL再建に学ぶ

✈️ JAL破綻時の有名なエピソード

稲盛和夫氏がコスト削減を指示した時、部下から「安全はどうするのですか?」と問われました。

稲盛氏の答えは明確でした:「どちらもだ!」

これこそが経営の本質です。

当時のJALは「安全」という名の下に、コスト管理がほとんどされていませんでした。パイロットがハイヤーを使うなど、およそ経営とは言えない状況だったのです。

人を大切にすることと、徹底した財務管理は対立するものではありません。両立しなければならないのです。

なぜなら、会社が倒産すれば、すべての人が路頭に迷うからです。

「数字を見ることは冷酷だ」「人間味がない」

このような声をよく聞きます。しかし、論語とそろばんを出すまでもなく、金の計算ができない人が経営などできるわけがありません。両方必要に決まっているのです。

「収益満開経営」で実現する真の経営力

🌸 和魂洋才による経営革新

私が提唱する「収益満開経営」は、単なる財務改善ではありません。

和魂(日本古来の叡智)洋才(現代の科学的手法)を統合した、令和時代の経営革新です。

和魂:日本古来の叡智

  • 二宮尊徳の道徳経済合一:道徳なき経済は罪悪、経済なき道徳は寝言
  • 渋沢栄一の論語とそろばん:道徳と利益の本質的統合
  • 陽明学の知行合一:知識と行動の一体化による真の成果創出

洋才:現代の科学的手法

  • 財務分析・ファイナンス理論:数字による客観的現状把握
  • 脳科学・認知心理学:学習効果の科学的最大化
  • 統計学・データ分析:感情に左右されない意思決定
この統合により実現するのは、個人の努力に依存しない、仕組みで勝つ経営です。

科学的根拠に基づく3つのステップ

🧠 ステップ1:脳科学的現状認識(入りを量る)

理化学研究所の研究に基づき、直観的財務力を育成します:

  • 月次損益の実態把握:毎月の本当の収支を知る
  • キャッシュフローの見える化:現金の流れを追跡する
  • 借入と返済計画の整理:債務の全体像を掌握する

📊 ステップ2:認知心理学的学習法(出を制す)

市川理論による内発的動機づけで持続的成長を実現:

  • 管理会計の基本習得:税務申告用ではない会計を学ぶ
  • 経営指標の設定:売上・利益・効率性の適切な測定
  • 税理士との対話改革:経営相談ができる関係構築

⚡ ステップ3:「知行合一」の実践(継続的改善)

陽明学の教えに基づき、学んだことを確実に行動に移します:

  • 月次レビューの実施:数字の変化を定期的に確認
  • 戦略的意思決定:データに基づく計画的判断
  • 組織への浸透:社員も含めた財務意識の向上

まとめ:「なんとかなるだろう」から「必ずうまくいく」へ

現状認識こそスタートです。

数字という客観的な現実から目を背けることは、「なんとかなるだろう」という漠然とした希望的観測を生み出します。

しかし、2000年前の『礼記』の時代から、「入りを量りて出を制す」という普遍的な真理は変わっていません。

江戸末期の陽明学者たちが実践し、現代の稲盛和夫氏や近藤宣之氏が体現しているように、真の経営者は必ず財務を理解しているのです。

理化学研究所の脳科学研究が証明:適切な訓練により、4ヶ月で経営者レベルの財務直観力は身につきます。これは才能ではなく、科学の世界です。

🌸 2200年の日本繁栄への道筋

会社はお金がないと生き残れません。だからこそ、財務こそが社長の最重要の仕事なのです。

「收益満開経営」は、あなたの会社を「なんとかなるだろう」の不安から、「必ずうまくいく」の確信へと導きます。

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