2022年3月11日のニッキンの記事によると、
『中小企業庁は、補助金を支給した中小企業などの財務・非財務情報を集約したデータベース(DB)を構築して、金融機関を含む官民の企業支援機関に開放する』と報道しています。
目的としては、業界別の動向や個別企業の経営課題を把握できるシステムを目指している。としています。
早くも4月から試験的に運用するとしています。
ポイントは、この情報はものづくり補助金や事業再構築補助金の際、申請企業から提出された情報だけでない、ということです。
持続化給付金で受け付けた400万件以上の申請情報など・・・を生かす。としています。
これまで、中小企業の実態は確定申告での数字などで語られていることが多かったですが、それだけでなく、補助金や給付金で提出された情報をクロスさせることでその会社の実態がほぼ正確なカタチで分かるようになります。
DBが利用できるのは、経済産業省だけでなく、商工会議所。
金融機関としては、政策金融公庫・信用金庫・地銀となっています。
これまで、金融機関はある程度以上は会社から提出された資料を信じて審査するしかなかったわけです。
しかし、このDBが金融機関が利用できるようになるとすれば、補助金に関する情報以外にも過去提出された会計情報はもとより非財務的な情報も見て、審査することが出来るようになるわけです。
もちろん、殆どの会社は真面目にやってはいると思いますが、一部の情報の非対称性を利用した悪意ある人には大きな影響があるでしょう。
金融機関としても、「決算書以外の情報は入手できない」という言い訳ができなくなりますから、その意味では各金融機関の実力が試される時代になるといえますね。
格付けを基本としながらも格付け以上の話ができるのが令和における財務のスタンダードというのが今年から本格的に始まります。