岸田内閣総理大臣が、経済政策のコアメッセージが「新しい資本主義」
ですが、どうでしょう。どのような政策が実施されているかご存知で
しょうか?
「新しい資本主義」については、「新しい資本主義実現会議」で議論
されていて、2019年に設置されています。
日本の経済成長のために、現代の社会・経済の変化に対応する新しい
形態の資本主義を実現することを目的としています。
具体的には、企業や投資家が長期的な視点で経済活動を行い、社会的
な課題に対する責任を果たす「持続可能な経済」の実現を目指していま
す。
会議では、企業の株主主義からステークホルダー主義への転換や、グ
リーン投資の促進、デジタル技術の活用、人材の育成など、様々なテ
ーマが議論されています。
ただし、新しい資本主義の具体的な形態や実現方法については、まだ
議論が進行中で、まだまだ過程は具体化されていません。
その中での、よく知られている政策は、「新NISA」といわれるNISAの
恒久化ですね。
これについては、ひとまず置いておいて、創業促進対策の話をしましょ
う。
創業促進対策は、「スタートアップ育成5か年計画」の中で基本的な方向
性は示されています。
この計画の冒頭で『我が国を代表する電機メーカーや自動車メーカーも、
戦後直後に、20 代、30 代の若者が創業したスタートアップとして、その
歴史をスタートさせ、その後、日本経済をけん引するグローバル企業とな
った。
しかし、2022 年現在、多様な挑戦者は生まれてきているものの、開業率や
ユニコーン(時価総額 1,000 億円超の未上場企業)の数は、米国や欧州に
比べ、低い水準で推移している。
他方で、旧来技術を用いる既存の大企業でも、スタートアップを M&A し
たり、コラボレーションをしたりして新技術を導入するオープンイノベーシ
ョンを行った場合、持続的に成長可能となることが分かってきた。
以上を背景として、本年をスタートアップ創出元年とし、戦後の創業期に
次ぐ、第二の創業ブームを実現する。そのために、スタートアップの起業
加速と、既存大企業によるオープンイノベーションの推進を通じて、日本
にスタートアップを生み育てるエコシステムを創出する。」
としています。
要は、アメリカ、ヨーロッパの後追いを今更ながらしたいという全く
新しくない考え方です。
ただ、このように掛け声だけと思われがちな「新しい資本主義」ですが、
中小企業に対していくつか施作がとられています。
① 経営者保証に依存しない融資慣行の確立
令和4年第2次補正の「経営者保証を徴求しない新たな創業時の信用保証制度の
創設」で一部具体化されています。詳しくはこちら
② 金融庁は、銀行・信用金庫に新興企業への融資実態を調査しています。
金融庁は、「スタートアップ育成5か年計画」を踏まえて、銀行や信用金庫
が新興企業への資金供給をどのようにしているのか?の実際を調査して、促進
する方針を決めています。。
2023事務年度(23年7月~24年6月)の金融行政方針に明記して、夏以降に融資の
実態を確認していく方向で決まっています。