資金繰りを改善する手法 その2在庫の圧縮

2024.05.03

 

中小零細企業の社長が悩んでいるのが、「お金」のこと、要は資金繰りだと思います。

現場で財務改善を支援している財務コンサルタントが、

資金繰りを改善する手法を伝えていきます。

 

2 在庫の圧縮

 

在庫を圧縮することは、資金繰りを改善するための重要な手段の一つです。

過剰在庫は、企業の資金を固定化し、キャッシュフローを圧迫する要因となります。

【在庫圧縮の重要性】

  1. キャッシュフロー改善

過剰な在庫は、売れ残りのリスクを高め、資金の流れを止めてしまいます。在庫を適正な水準に保つことで、資金を効率的に回転させ、キャッシュフローを改善することができます。

  1. 在庫コスト削減

在庫を抱えていると、保管コスト、管理コストなどが発生します。在庫を圧縮することで、こうしたコストを削減でき、利益の向上につながります。

  1. 機動力の向上

過剰な在庫は、企業の柔軟性を低下させます。需要の変化に素早く対応するためには、在庫を適正水準に保つ必要があります。

 

【在庫圧縮をするときの注意点】

  1. 需要予測の精度向上

適切な在庫水準を維持するには、需要予測が非常に重要です。過去の販売実績や市場動向を注視し、可能な限り正確な予測を行いましょう。

  1. リードタイム管理

仕入れや製造のリードタイムを適切に管理することで、在庫過剰を防ぐことができます。納期遅れによる需給ギャップを避けるためにも重要です。

  1. 定期的な在庫棚卸

定期的に在庫の実地棚卸を行い、過剰在庫や長期滞留品を早期に発見する必要があります。発見次第、適切な処分や値下げ販売などの対策を講じましょう。

  1. 適正在庫水準の設定

過剰在庫と品切れを防ぐため、適正な在庫水準を設定することが肝心です。安全在庫や最適発注量などを参考に、状況に応じて柔軟に調整しましょう。

在庫の適正化は、資金効率の改善だけでなく、企業の機動力や収益性の向上にもつながる重要な経営課題です。需要予測の精度向上やリードタイム管理、定期的な棚卸など、細かな対策を着実に実行していくことが肝心です。

つまり、会計資料と実際のズレを定期的に確認することが重要です。