資金繰りを改善する手法 その7営業キャッシュフローの改善
2024.05.08
中小零細企業の社長が悩んでいるのが、「お金」のこと、要は資金繰りだと思います。
現場で財務改善を支援している財務コンサルタントが、
資金繰りを改善する手法を伝えていきます。
7 営業キャッシュフローの改善
営業キャッシュフローとは、企業の本業による収入と支出の差額を表すキャッシュフロー
のことです。
つまり、商品やサービスの売上から、原材料費、人件費、賃借料などの営業活動に必要な
経費を差し引いた額になります。
営業キャッシュフローが改善することで会社にお金残るようになり、資金繰りの改善に
つながります。
具体的に、営業キャッシュフローを改善するためには、以下のような手段が考えられます。
- 売上高の増加
- 製品やサービスの販売促進 既存商品の需要を喚起するための営業・マーケティング活動を強化する。 販売チャネルの拡大、プロモーション施策の実施などが考えられる。
- 新規顧客の開拓 新しい販路や市場を開拓することで売上げ機会を広げる。 ターゲット層の分析、新サービスの投入、販売エリアの拡大などが有効。
- 価格の適正化 市場価格との整合性を取り、適正な価格設定を行う。 価格の値上げも選択肢の一つだが、需要の減少に注意が必要。
- 経費の削減
- 原価管理の徹底 原材料費、外注費などのコストを徹底的に見直し、無駄を排除する。
- 無駄な支出の見直し 本業に直接関係しない経費について、コストとメリットを検証し、削減の機会を探る。
- 生産性の向上 業務の効率化や自動化などにより、人件費や時間コストを節約する。
- 回収条件の見直し
- 売掛金回収サイクルの短縮 顧客への入金期限の短縮や料金支払方法の見直しにより、売掛金の早期回収を図る。
- 前受金の活用 製品・サービスの対価を先に受け取ることで、運転資金の確保につなげる。
- 支払条件の見直し
- 支払サイクルの延長交渉
仕入先などと支払期限の延長交渉を行い、キャッシュアウトフローを抑える。
- 買掛金の有効活用 仕入代金の支払いを一時的に遅らせることで、手元資金の確保につなげる。
注意点としては、経費削減が過剰にならないよう注意が必要です。
人員削減などで競争力が低下したり、設備投資の手控えで成長機会を逸してはいけません。
短期的なキャッシュフロー改善と中長期的な企業価値向上のバランスが重要になります。
また、取引先との関係を損ねることのないよう、支払条件の変更には十分な配慮が求められます。
要するに、ただ営業キャッシュフローを増やせばいいのではんかう、計画性のある実施が必要になり
ます。