中小零細企業の社長が悩んでいるのが、「お金」のこと、要は資金繰りだと思います。
現場で財務改善を支援している財務コンサルタントが、
資金繰りを改善する手法を伝えていきます。
11 請求書の買い取り
請求書を買い取ってもらうことも資金繰りを改善する手法といえます。
請求書の買い取りは、ファクタリングとは異なります。
ファクタリングとは、企業の売掛金(未収金)そのものを譲渡するサービスです。
一方、請求書買取サービスは、その売掛金の証拠である「請求書」を買い取るサービスになります。
具体的な違いは以下の通りです。
【ファクタリング】
【請求書買取】
請求書買取は、売掛金自体を譲渡するファクタリングよりもライトな資金調達手段です。
債権回収は企業自身が行う必要がありますが、取引先への影響が少ないメリットがあります。
どちらを選ぶかは、資金ニーズや取引先への影響を考慮して、企業側で判断することになります。
請求書買取りのメリットとデメリットは以下のようになります。
【メリット】
【デメリット】
確かに、請求書買取りは、ファクタリングより手数料が安価で、取引先への影響が少ないという
メリットがあります。
しかし、債権回収リスクや与信審査の手間がすべて企業側に残り、調達できる金額も請求書金額に
限られるというデメリットもあります。
そのため、大口の運転資金を必要とする場合や、債権回収のリスクを完全に外部化したい場合には
ファクタリングの方が適している可能性があります。
つまり、資金ニーズの大きさや債権回収リスクの許容度によって、ファクタリングと請求書買取り
のどちらが適しているかを判断する必要があります。
したがって、いつもお話しているとおり、場当たり的に改善の手法を行うのではなく、計画的に
行う必要があります。