余剰資産売却で資金繰り改善!5つのメリット・デメリット完全解説

2024.05.14

余剰資産売却で資金繰り改善!5つのメリット・デメリット完全解説

資金繰り改善手法その13:眠り資産を現金化して経営を安定させる方法
📅 更新日:2025年8月29日
中小企業社長の最大の悩み「お金」の問題
中小企業の社長が最も悩んでいるのが「お金」のこと、要は資金繰りです。売上は順調でも手元にお金が残らない、毎月の支払いに追われて夜も眠れない。そんな悩みを解決する方法の一つが「余剰資産の売却」です。現場で財務改善を支援している財務コンサルタントが、余剰資産売却による資金繰り改善の手法を詳しく解説します。
余剰資産売却

🌸 余剰資産とは何か

【基本概念】余剰資産の定義
余剰資産とは、企業が本来の事業活動に不要な、つまり余剰となっている資産のことを指します。これらは保有コストがかかる一方で、十分に活用されていない「眠り資産」とみなされ、資金繰り改善のために処分を検討する対象となります。

余剰資産は大きく分けて固定資産と流動資産に分類されます。それぞれの具体例を見てみましょう。

🌸 余剰資産の具体例

🏢 固定資産の例
  • 遊休地や遊休設備
  • 社宅や社員寮など賃貸に出していない不動産
  • 事業の撤退に伴い不要になった建物や設備
  • 将来の用途が見込めない投資不動産
📦 流動資産の例
  • 滞留在庫や過剰在庫
  • 回収が見込めない売掛金
  • 運用目的がなくなった有価証券
  • 事業との関連性が薄い投資有価証券

🌸 売却優先順位の考え方

【古典の叡智】二宮尊徳の教え
「身の丈に合った経営」を説いた二宮尊徳は、「分度」(適正な規模)の重要性を強調しました。余剰資産の売却は、まさに身の丈に合った経営への転換です。「必要なものは残し、不要なものは手放す」という原則で資産を見直すことが大切です。

資金繰り改善のために余剰資産を売却する場合、原則として流動資産を優先して売却することが一般的に推奨されます。

1
換金性が高い
流動資産は現金化が比較的容易で、すぐに資金を調達できます。
2
事業運営への影響が小さい
棚卸資産や売掛金の処分は、事業活動自体に大きな支障を与えません。
3
固定資産売却のリスク回避
固定資産売却には事業縮小の印象や従業員士気の低下などのリスクが伴います。

一方で、固定資産売却も状況次第では選択肢になり得ます。例えば、遊休地や不要な設備など、事業に直接関係ない余剰固定資産があれば、優先的に売却を検討するメリットがあります。

🌸 余剰資産売却の5つのメリット

💰 現金化による資金調達

余剰資産を売却することで、現金が手元に入ります。この現金を運転資金や借入金の返済に充てることができ、資金繰りが改善されます。

📉 保有コストの削減

不要な資産を手放すことで、維持・管理費用などの保有コストを節約できます。固定費の削減により収益性も向上します。

🔄 経営資源の再配分

売却資金を効果の高い事業に振り向けることで、経営資源を最適化できます。成長分野への投資が可能になります。

📊 財務指標の改善

不要な資産を処分することで、ROA(総資産利益率)やROE(自己資本利益率)などの財務指標が改善し、銀行評価も向上します。

🎯 経営の集中と選択

余剰資産の整理により、本業への集中度が高まり、経営効率が向上します。「選択と集中」の実現につながります。

🌸 余剰資産売却の5つのデメリット

【重要な注意点】将来への影響を慎重に検討
余剰資産の売却は短期的な資金繰り改善につながる一方で、将来的な収益源を失うリスクもあります。慎重な検討と長期的な経営戦略に沿った判断が必要不可欠です。
1
将来的な収益機会の喪失
売却した資産が将来的に価値を持つようになった場合、収益を得る機会を失ってしまいます。特に不動産は長期的な値上がりの可能性があります。
2
売却価格の問題
希望する価格で売却できない可能性があり、想定外の損失が発生するリスクがあります。急いで売却すると買い叩かれる危険性もあります。
3
従業員や取引先への影響
事業の一部売却の場合、従業員の雇用や取引関係に影響が出る可能性があります。社内の士気低下にもつながりかねません。
4
税務上の問題
売却益が発生した場合、法人税の負担が増加します。売却のタイミングによっては税負担が重くなることがあります。
5
事業継続性への影響
将来的に事業拡大や新規事業展開が必要になった際、売却した資産が必要になる可能性があります。再取得にはより多くのコストがかかることもあります。

🌸 成功する余剰資産売却の進め方

「良い時に傘を用意する」(中国古典)

資金繰りが悪化してからの急いだ売却は、買い手に足元を見られて不利な条件での売却になりがちです。余裕のあるうちから計画的に進めることが、良い条件での売却につながります。

1
資産の棚卸しと評価
全ての資産を洗い出し、事業への必要性と市場価値を評価します。専門家による適正な査定を受けることが重要です。
2
売却優先順位の決定
流動資産から固定資産へ、事業への影響が小さいものから順番に売却対象を決定します。
3
売却計画の策定
税務面も考慮した売却時期の決定、売却収入の使途計画を明確にします。
4
適切な売却チャネルの選択
不動産仲介、オークション、同業者への直接売却など、資産の特性に応じた最適な売却方法を選択します。
5
売却後のフォローアップ
売却収入の適切な運用、財務状況の継続的なモニタリングを行います。

🌸 収益満開経営の視点から

【収益満開経営の理念】計画的な資産売却で持続的繁栄を
つまり、資産の切り売りにならないためには計画性のある資産売却が重要です。桜の花のように自然で持続的な繁栄を目指す「収益満開経営」では、余剰資産の売却も長期的な視点で戦略的に行います。一時的な資金繰り改善だけでなく、企業の持続的成長に寄与する判断が求められます。

最終的には経営者の判断により、経営戦略やその時々の資金ニーズなどを総合的に勘案して、売却対象と順序を決める必要があります。ただし、事業運営への影響などを慎重に検討することが重要です。

📚 資金繰り改善の全体像を知る

この記事で解説した手法は、資金繰り改善76の実践手法の1つです。
あなたの会社に最適な施策を体系的に選ぶ方法は、以下の記事で詳しく解説しています。


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合同会社エバーグリーン経営研究所 長瀬好征
「和魂洋才」による収益満開経営で、失われた30年を終わらせ、2200年の日本に繁栄を残す