中小零細企業の社長が悩んでいるのが、「お金」のこと、要は資金繰りだと思います。
現場で財務改善を支援している財務コンサルタントが、
資金繰りを改善する手法を伝えていきます。
15経費の見直しと削減
経費の見直しと削減は、資金繰りを改善する有効な手段の1つです。
多くの社長が取り組んでいるでしょう。
しかし、以下のようなことに留意する必要があります。
- 優先順位の明確化
- 経費項目を全て洗い出し、事業運営に必須のものと削減可能なものを区別します。
- 収益に直結する重要な経費は最優先で維持する必要があります。
- 経費の内訳の確認
- 各経費項目の内訳を詳細に確認し、無駄な支出がないかチェックします。
- 例えば、通信費の内訳を分析し、不要なサービスがないか点検します。
- 支出の見直し
- 継続的に支出状況をモニタリングし、不要な経費の有無を定期的に確認します。
- 租税公課などの固定費についても、削減の余地がないか検討します。
- 優先順位に基づく段階的削減
- 優先順位の低い経費から段階的に削減していきます。
- 一気に大幅な削減を行うと事業に深刻な影響を与える可能性があります。
- 代替案の検討
- 経費削減の代替策がないか検討します。例えば、レンタルからリースに切り替えるなど。
- ただし、品質の低下や機会損失を招かないよう注意が必要です。
- 従業員との情報共有と理解の促進
- 経費削減の目的と具体的な取り組みを従業員に分かりやすく説明し、理解を求めます。
- 従業員の協力なくしては効果的な経費削減は難しいためです。
経費の見直しと削減では、バランスが大切です。無理のない範囲で着実に取り組むことが重要です。
なぜなら、経費の無計画な削減が、かえって企業の生産性や収益力を損なう重大な問題となる可能性 があることをよく理解しておく必要があります。
一時的な黒字化のみを重視して、広告宣伝費や人件費、設備投資などの重要経費を無闇に切り詰めると、 以下のようなリスクが高まります。
- 売上げ減少のリスク
- 広告宣伝費を削ると顧客の流出や新規顧客の獲得機会を失い、売上が落ち込む可能性が高くなります。
- 生産性低下のリスク
- 人件費を削るあまり優秀な人材が去り、モチベーションが下がれば生産性が低下します。
- 設備の過剰な節約は故障や能力低下を招き、効率の悪化につながります。
- 品質低下のリスク
- コストを度を超えて切り詰めると、製品やサービスの品質が落ち、企業の信頼を損なう恐れがあります。
一方で、以下のような適切なアプローチで経費を見直せば、本当の経営改善につながります。
- 事業の根幹を理解し、重要な投資を守りつつ、無駄を徹底的に排除する
- 事業環境の変化に合わせ、新しい収益機会を生み出す先行投資に経営資源を振り分ける
- 人材への投資やIT化などの生産性改革投資を優先する
- 単なる節約ではなく、抜本的な業務プロセスの改革を行う
経費削減は本来、無駄を排除し企業を健全化させる目的があるはずです。
短期的な黒字さえ良ければ、長期的な企業価値を損なうような経費切り捨ては、
本末転倒であり避けるべきです。
持続的な成長のため、バランスの取れた経営判断が何より重要なのです。