資金繰り改善の手法 その16 増資による資金調達

2024.05.17

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中小零細企業の社長が悩んでいるのが、「お金」のこと、要は資金繰りだと思います。

現場で財務改善を支援している財務コンサルタントが、

資金繰りを改善する手法を伝えていきます。

 

16 増資による資金調達

 

増資とは、株式会社が新しく株式を発行し、その代金を資金として調達することを言い

ます。

 

しかし、中小企業にとって増資は以下の理由から選択肢になりにくい面があります。

  1. 株式公開が前提 増資を行うには株式を一般に譲渡できる株式会社である必要があり、                     中小企業は多くが非公開の会社である点が障壁となります。
  2. 株主の確保が難しい
    新規投資家の確保が難しく、実質的に既存株主から調達することになるため、資金調達                  額に限界があります。
  3. 手続コストが負担
    株主総会開催など、手続コストが中小企業の資金力では大きな負担となります。
  4. 税務面でのデメリット 増資により地方税がの負担額が増加する可能性があります。

 

【メリット】

  1. 借入れと比べて返済の義務がない 増資では、株主から資金を調達するため、借入れのよう                 に返済の義務がありません。そのため、将来的な返済リスクを抑えられます。
  2. 自己資本の増加 増資により調達した資金は、会社の自己資本を増やすことができます。                   自己資本が増えると、財務体質が強化され、さらなる資金調達が容易になります。
  3. 税務メリット 増資により調達した資金自体は、課税対象にはならず、節税効果があります。

【デメリット】

  1. 株式の希薄化 増資により新株を発行すると、既存株主の持株比率が低下し、1株当たりの                   価値が希薄化する可能性があります。
  2. 支配権の変更リスク 大規模な増資を行う場合、新規株主の株式保有比率が高くなり、経                    営陣の支配権が変更されるリスクがあります。
  3. 手続きコスト 増資には、株主総会の開催や公告などの手続き費用がかかります。公開企業                    の場合は、開示資料作成なども必要となり、費用がかさみます。
  4. 時期の限定 機動的な資金調達が難しく、株主総会の開催時期などに制約されるため、緊急                      時の資金調達が困難な場合があります。

 

この点において、株式の希薄化リスクに対しては、無議決権株式の発行で対応できますが、定款

で無議決権株式の発行を認める旨を定めておく必要があります。

このように増資では、会社法の規定や税制の影響など、法務・会計・税務の専門知識が不可欠です。

 

しかし、中小企業の社長の間では、このような選択肢があることを認識されていないケースが多い                のが実情です。

一方で、中小企業は銀行からの借入れによる資金調達の方が一般的です。

 

その理由としては、手続コストが増資よりも低く済むこと、株式公開が前提とならないことなどが                     挙げられます。

 

つまり、企業は資金ニーズに応じて、増資か借入れかを判断する必要があり、それぞれメリット・デ

メリットを比較検討することが重要となります。

 

経営者には、資金調達手段の特性を理解した上で、適切な選択を行うことが求められているということ

です。

このように、資金調達は単に「お金」の話ではなく、法務、会計、税務など、様々な専門分野の知識が不

可欠となります。

社長には、このような総合的な視点が求められています。

「お金」のことだから税務だけの知識十分とはならないのです。

About Post Author

NAGASE YOSHIYUKI

財務コンサルタント。 ビジョン「1000年繁栄し続ける企業への変容するようサポートする」 ミッション「ご縁をいただいた会社、社長、従業員の成長、発展、成功、繁栄への道を共に歩む社外の一番のパートナー」
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