中小零細企業の社長が悩んでいるのが、「お金」のこと、要は資金繰りだと思います。
現場で財務改善を支援している財務コンサルタントが、
資金繰りを改善する手法を伝えていきます。
16 増資による資金調達
増資とは、株式会社が新しく株式を発行し、その代金を資金として調達することを言い
ます。
しかし、中小企業にとって増資は以下の理由から選択肢になりにくい面があります。
【メリット】
【デメリット】
この点において、株式の希薄化リスクに対しては、無議決権株式の発行で対応できますが、定款
で無議決権株式の発行を認める旨を定めておく必要があります。
このように増資では、会社法の規定や税制の影響など、法務・会計・税務の専門知識が不可欠です。
しかし、中小企業の社長の間では、このような選択肢があることを認識されていないケースが多い のが実情です。
一方で、中小企業は銀行からの借入れによる資金調達の方が一般的です。
その理由としては、手続コストが増資よりも低く済むこと、株式公開が前提とならないことなどが 挙げられます。
つまり、企業は資金ニーズに応じて、増資か借入れかを判断する必要があり、それぞれメリット・デ
メリットを比較検討することが重要となります。
経営者には、資金調達手段の特性を理解した上で、適切な選択を行うことが求められているということ
です。
このように、資金調達は単に「お金」の話ではなく、法務、会計、税務など、様々な専門分野の知識が不
可欠となります。
社長には、このような総合的な視点が求められています。
「お金」のことだから税務だけの知識十分とはならないのです。