増資とは、株式会社が新しく株式を発行し、その代金を資金として調達することです。株主から資本金として出資を受けることにより、会社の自己資本を増やす手法といえます。
論語に「学んで思わざれば則ち罔(くら)し、思いて学ばざれば則ち殆し」とあるように、まず基本的な仕組みを理解し、それを実際の経営に活かす思考が重要です。
1. 株式公開の前提
増資を行うには株式を一般に譲渡できる株式会社である必要がありますが、中小企業の多くが非公開会社であることが障壁となります。
2. 株主確保の困難
新規投資家の確保が難しく、実質的に既存株主からの調達となるため、資金調達額に限界があります。
3. 手続きコストの負担
株主総会開催など、手続きコストが中小企業の資金力では大きな負担となります。
4. 税務面での配慮
増資により地方税の負担額が変動する可能性があります。
返済義務なし
借入れと異なり、返済の義務がないため将来的な返済リスクを抑制
自己資本の増加
財務体質の強化により、さらなる資金調達が容易に
税務メリット
増資により調達した資金自体は課税対象とならない
📉 株式の希薄化
新株発行により既存株主の持株比率が低下し、1株当たりの価値が希薄化する可能性があります。
👥 支配権変更リスク
大規模な増資では新規株主の保有比率が高くなり、経営陣の支配権変更リスクが生じます。
💸 手続きコスト
株主総会開催や公告などの手続き費用がかさみ、公開企業では開示資料作成も必要となります。
⏰ 時期の制約
株主総会の開催時期などに制約され、緊急時の機動的な資金調達が困難な場合があります。
株式希薄化リスクに対する実践的な解決策として、無議決権株式の発行があります。ただし、定款で無議決権株式の発行を認める旨を予め定めておく必要があります。
このように増資では、会社法の規定や税制の影響など、法務・会計・税務の専門知識が不可欠です。「収益満開経営」では、単なる「お金」の話ではなく、法務、会計、税務など様々な専門分野の知識を総合的に活用することが重要と考えています。
中小企業においては、銀行からの借入れによる資金調達の方が一般的です。
理由として:
企業は資金ニーズに応じて、増資か借入れかを適切に判断する必要があります。それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、会社の成長段階や財務状況に応じた最適な選択を行うことが重要です。
渋沢栄一の「論語とそろばん」の教えにあるように、道徳と経済の調和が重要です。増資という手法も、短期的な資金調達手段としてではなく、会社の持続的成長と社会への貢献という長期的視点から考えるべきです。
経営者には、資金調達手段の特性を理解した上で、適切な選択を行うことが求められています。これは単に「お金」の話ではなく、法務、会計、税務など、様々な専門分野の知識を統合して活用する総合的な経営判断なのです。
中小企業の社長の間では、このような選択肢があることを認識されていないケースが多いのが実情ですが、知識を身につけることで、より良い経営判断ができるようになります。
増資は中小企業にとって限定的な選択肢ではありますが、適切な状況下では有効な資金調達手法となり得ます。重要なのは、自社の状況を正確に把握し、各手法のメリット・デメリットを理解した上で、最適な判断を行うことです。
「収益満開経営」では、このような多面的な視点から経営者の成長を支援し、2200年の日本に繁栄を残すための持続的な経営を目指しています。
この記事で解説した手法は、資金繰り改善76の実践手法の1つです。
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合同会社エバーグリーン経営研究所 長瀬好征
「和魂洋才」による収益満開経営で、失われた30年を終わらせ、2200年の日本に繁栄を残す