資金繰り改善の手法 その22 アウトソーシングの活用

2024.05.23

中小零細企業の社長が悩んでいるのが、「お金」のこと、要は資金繰りだと思います。

現場で財務改善を支援している財務コンサルタントが、

引き続き資金繰りを改善する手法を伝えていきます。

22 アウトソーシングの活用

 

資金繰りを改善するための一つの手法としてアウトソーシングを活用することが

あります。

アウトソーシングとは、会社の業務の一部を外部の専門業者に委託することです。

自前主義を捨て、外部に任せた方がコストダウンを図れることがよくあります。

 

アウトソーシングを活用することで、具体的には以下のようなメリットがあります。

  1. 人件費の削減 社内で行っていた業務を外部委託することで、従業員の人件費を                      削減できます。専門業者は効率的な業務遂行が可能なため、コストを抑えられます。
  2. 固定費の変動費化 アウトソーシングを活用すれば、社内で常駐していた従業員の                     人件費といった固定費を、外部委託費用という変動費にすることができます。                       業務量に応じて費用を調整できるので、資金繰りが柔軟になります。
  3. 専門知識の活用 社内に不足している専門知識を、アウトソーシング先の専門業者                     から提供してもらえます。自社では対応が困難な高度な業務にも対応可能になります。
  4. 経営資源の核心業務への集中 アウトソーシングにより、ノンコア業務から解放される                   ため、経営資源を自社の強みである核心業務に集中投下できるようになります。

 

一方で、日本の中小零細企業においては、社内ノウハが育たない、情報管理ができないと                   いうデメリットの面の方が出ているのが現状です。

特に、経理事務などは一見中小零細企業が専門人材を待たない代わりに会計事務所に丸投

げしてアウトソーシングをしているようにも見えますが、ほとんどの中小企業は会計知識が

ないまま経営していることで資金繰りを始めとして財務状況を的確に把握していません。

 

アウトソーシングには確かにメリット・デメリットの両面があり、慎重に検討する必要があります。

再度、メリットとデメリットを書くと、

【メリット】 ・人件費の削減、固定費の変動費化により資金繰りが改善 ・専門知識を外部から調達でき、

高度な業務にも対応可能 ・経営資源を核心業務に集中投下できる

【デメリット】 ・社内のノウハウ蓄積が進まない ・機密情報の取り扱いへの細心の注意が必要 ・アウト

ソーシング先との綿密なコミュニケーションが欠かせない

 

特に経理・財務分野は、アウトソーシングのメリット・デメリットが顕著に表れる分野です。

メリットとしては、会計の専門家に任せることで、適切な経理処理や資金繰り管理が期待できます。

コストも専門家に任せた方が抑えられる場合があります。

一方で、重要なデメリットは、経営者自身が経理・財務の知識を身につけられない点です。

経営判断に必要な財務データの読み解き方や資金繰りの重要性を理解できなくなるリスクがあります。

そのため、経理・財務を会計事務所に任せる場合でも、以下の点に気をつける必要があります。

  • 経営者自らが最低限の会計知識を身につける
  • アウトソーシング先と綿密にコミュニケーションを取り、状況を共有する
  • 重要な経営判断については、自社で最終チェックをする
  • 長期的には社内人材の育成を検討する

単に丸投げをするのではなく、自社の経営を自らコントロールできる体制を維持することが重要です。

特に、資金繰りに余裕のない中小零細企業においては、会計を的確に把握することが事業継続の肝と

なることを忘れてはいけません。