月次棚卸で劇的改善!7つの資金繰り安定化効果

2024.09.20

月次棚卸で劇的改善!7つの資金繰り安定化効果

財務初心者でもABC分析で今日から始められる実践ガイド
📅 更新日:2025年9月6日
【衝撃の現実】99%の中小企業が月次棚卸をしていません
前回「在庫ロス削減で実現する8つの資金繰り改善効果」では在庫管理の重要性をお伝えしました。しかし実際は、決算書に「会社保管の通り」としか記載されず、在庫の数字自体が不透明な会社がほとんどです。特に製造業や小売業では、在庫の動きがわからないと経営ができないはずですが、月次棚卸をしている会社はほぼありません。
月次棚卸

🌸 なぜ中小企業は月次棚卸をしないのか?

「面倒だから年1回で十分」という思い込みが資金繰り悪化の原因
多くの社長が「棚卸は決算時だけで十分」と考えています。しかし、これが資金繰り悪化の根本原因の一つなのです。在庫の動きが見えない経営は、まさに「目隠し運転」と同じです。

中小企業が月次棚卸を避ける3つの理由

1
時間がない:「忙しくて毎月棚卸なんてできない」という先入観
2
効果が見えない:棚卸と資金繰りの関係性を理解していない
3
やり方がわからない:「税理士に任せているから大丈夫」という依存体質

🌸 月次棚卸がもたらす7つの劇的な効果

財務初心者の社長でも、月次棚卸を始めるだけで以下の効果を実感できます。実際の事例とともに詳しく解説します。

1. 現金化可能な隠れ資産の発見

実例:機械部品商社B社の場合
月次棚卸を始めて3ヶ月後、倉庫の奥で眠っていた部品を発見。調べてみると、現在も需要のある商品で、即座に現金化できました。結果:150万円の臨時収入を獲得。

2. 過剰在庫による資金圧迫の解消

実例:食品製造業C社の場合
月次棚卸により、特定の原材料が必要以上に購入されていることが判明。発注方法を見直した結果、在庫金額を30%削減し、年間200万円の資金効率化を実現しました。

30%

在庫金額削減

200万円

年間資金効率化

3. 売れ筋・死に筋の明確化による利益向上

実例:アパレル小売業D社の場合
月次棚卸データを分析することで、売れ筋商品と死に筋商品が明確に区別できるようになりました。死に筋商品の仕入れを停止し、売れ筋商品に集中した結果、利益率が15%向上しました。

4. 盗難・紛失の早期発見による損失防止

実例:建設資材業E社の場合
月次棚卸により、高価な工具の紛失が早期に発見されました。調査の結果、現場での管理不備が原因と判明。管理体制を見直すことで、年間50万円の損失を防ぐことができました。

5. 仕入れタイミングの最適化

実例:プラスチック製造業F社の場合
月次棚卸により原材料の消費パターンが明確になりました。これまで「なんとなく」発注していた原材料を、データに基づいて最適なタイミングで発注するようになった結果、在庫コストを25%削減しました。

6. 銀行からの信頼度向上

実例:精密機器製造業G社の場合
月次棚卸データを整備して融資相談に臨んだところ、銀行担当者から「在庫管理がしっかりしている会社は信頼できる」と評価されました。結果として、金利0.2%の優遇融資を獲得することができました。

7. 経営判断の精度向上

月次棚卸による経営の「見える化」効果
在庫の動きが月次で把握できるようになると、経営判断の精度が格段に向上します。「なんとなく」の経営から「データに基づく」経営への転換が可能になります。

「この手法を実践する前に、まず『なぜ黒字なのに資金繰りが苦しいのか』というメカニズムを理解することが重要です。詳しくは黒字なのに資金繰りが苦しい根本原因の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。」

🌸 「じゃあ、どうやって始めるの?」への答え:ABC分析活用法

月次棚卸の効果はわかったけれど、全商品を毎月チェックするのは現実的ではありません
そこで活用するのがABC分析です。重要度の高い商品(A商品)だけ毎月、中程度の商品(B商品)は四半期、重要度の低い商品(C商品)は半年に1回といった具合に、メリハリをつけて管理します。

ABC分析とは?

パレートの法則(80:20の法則)に基づき、売上の80%を占める20%の商品(A商品)に重点を置いて管理する手法です。全商品を同じ頻度で管理するのではなく、重要度に応じた効率的な管理を行います。

A
A商品:売上の70-80%を占める商品群(全体の約20%)→ 毎月棚卸
B
B商品:売上の15-20%を占める商品群(全体の約30%)→ 四半期棚卸
C
C商品:売上の5-10%を占める商品群(全体の約50%)→ 半年または年1回棚卸

🌸 Excelで今日から始める5ステップ実践法

特別なソフトは不要、Excelがあれば今日から始められます。財務初心者でも30分で完了できる手法をお伝えします。

ステップ1:データの準備(10分)

1
必要なデータ:商品名、直近3ヶ月の売上金額
2
Excelシート設定:A列:商品名、B列:売上金額、C列:累積売上、D列:構成比、E列:ABC分類
3
データ並び替え:売上金額の大きい順に並び替え

ステップ2-5:Excel関数による自動化

5分で作成できるABC分析テンプレート
C列(累積売上):=SUM($B$2:B2)
D列(構成比):=C2/$C$最終行*100
E列(ABC分類):=IF(D2<=70,”A”,IF(D2<=90,”B”,”C”))
F列(棚卸頻度):=IF(E2=”A”,”毎月”,IF(E2=”B”,”四半期”,”半年”))

実践結果:小売業A社の改善事例

ABC分析導入による劇的な改善
A社(従業員15名、年商3億円)の導入結果:
・棚卸時間:従来8時間 → 2時間に短縮(75%削減)
・A商品(20品目)の月次管理により、機会損失を70%削減
・総在庫金額25%削減、年間300万円のキャッシュフロー改善

🌸 収益満開経営における月次棚卸の意義

近江商人の「日々損益を明らかにしないでは寝につかぬ」という教えは、現代の月次棚卸に通じます。300年前の商人が当たり前に実践していた管理手法を、現代の社長ができないはずがありません。

二宮尊徳の「積小為大」の精神で、小さなA商品の管理改善から始めて、大きな資金繰り改善を実現する。これこそが2200年の日本繁栄につながる「和魂洋才」の実践なのです。

月次棚卸は単なる作業ではありません。経営者としての思考力を鍛え、「なんとかなるだろう」経営から脱却するための重要な修練でもあります。

まずは来月から、A商品だけでも月次棚卸を始めてみませんか?数字で語れる経営者への第一歩として、ABC分析を活用した効率的な棚卸の実践をおすすめします。

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この手法を含む体系的ガイド

この記事で紹介した手法は、資金繰り改善の全体像の一部です。
5ステップの体系的アプローチと76の実践テクニックの全体像は、
「資金繰り改善の完全ガイド」で詳しく解説しています。

あなたの会社に最適な施策の選び方がわかります


合同会社エバーグリーン経営研究所 長瀬好征
「和魂洋才」による収益満開経営で、失われた30年を終わらせ、2200年の日本に繁栄を残す