事業計画を社長自身で書けるか?5つの理由と育成法
~20年の紆余曲折から見つけた真の経営改善~
📅 更新日:2025年9月6日
【なぜ事業計画を社長自身で書くべきなのか?】
「長瀬さんの目標はなんですか?」と知り合いの社長から聞かれました。実は、コンサルティングでも、メルマガでも、僕の目的・目標については殆ど書いてきませんでした。しかし、この問いかけをきっかけに、なぜ私が「事業計画を社長自身で書けるようになる」ことにこだわるのか、その理由をお話しします。
🌸 20歳の決意:失われた10年から生まれた使命感
私は20歳の時、ちょうどバブル崩壊から失われた10年というタイミングでした。景気がなかなか回復しないだけでなく、就職氷河期に突入して、若い人達の正規雇用が減っていった時代です。
この状況を目の当たりにして、一つの確信を持ちました。「日本経済が弱くなっているのは、中小企業の復活がないからだ。中小企業が良くならないと、多くの人が経済的な自由を得て幸せに生活できない」
【20歳の決意】
そこで「事業再生専門の弁護士」になることを決意し、司法試験の勉強を始めました。中小企業の再生こそが、日本経済復活の鍵だと信じていたからです。
📊 挫折と転換:東日本大震災が呼び覚ました原点
司法試験の勉強は難しいとは思いませんでしたが、身体の調子がどんどん悪くなり、毎年択一試験の前は歩くのもしんどいほどでした。32歳の時には歩くことも困難になり、司法試験を諦めて新橋の会社に営業として就職しました。
会社員として過ごすつもりはなく、司法試験の合間に読んでいたマーケティングの知識で「中小企業の売上と利益を上げるコンサルタントとして独立しよう」という思いを秘めていました。
【2011年3月11日の気づき】
東日本大震災が起きた時、私はマーケティングディレクターとして働いていました。圧倒的な自然の脅威の前に「いつ自分のしたいことが突然できなくなるかもしれない」と思った時、20歳の頃の「日本経済の再生のためのコンサルタントになる」という思いが蘇ってきました。
💡 衝撃の体験:売上好調でも倒産した会社から学んだ真実
2011年5月、会社の看板すらない全くのゼロの状態で独立しました。生活はできていましたが、鳴かず飛ばずの状態が5年続きました。
2016年、たまたまコンサルをしていた会社が、マーケティングで売上がどんどん伸びていき、社長から喜ばれていました。しかし、その社長と突然連絡がとれなくなりました。
【衝撃の現実】
おかしいと思って会社に行ってみると、何もありませんでした。ただ「倒産しました」の貼り紙が貼ってあるだけ。売上が好調に伸びていたにもかかわらずです。その時、遅まきながら「会社が良くなるためには、売上だけではダメなんだ」ということを思い知りました。
🎯 事業計画を社長自身で書くべき5つの理由
その衝撃的な体験から「財務」の重要性にたどり着き、現在の私があります。そして、なぜ事業計画を社長自身で書けるようになることが重要なのか、5つの理由が明確になりました。
1
売上と利益の関係性を理解できる:売上が上がっても倒産する理由、利益が出ても資金繰りが悪化する構造を深く理解できるようになります。
2
経営判断の精度が向上する:感情ではなく数値に基づいた冷静な判断ができるようになり、大口注文や投資判断の精度が飛躍的に向上します。
3
資金繰りの見通しが立つ:将来の資金需要を予測し、適切なタイミングで資金調達や投資を行えるようになります。黒字倒産を防げます。
4
組織全体の目標共有が可能:明確な数値目標により、社員全員が同じ方向を向いて行動できるようになり、組織力が向上します。
5
真の経営自立が実現する:コンサルタントや専門家に依存せず、自分自身で会社の方向性を決められる真の経営者になれます。
🌸 古典の叡智:「独立自尊」の現代的意味
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」(福沢諭吉)
福沢諭吉が説いた「独立自尊」の精神は、現代の経営においても重要です。他者に依存せず、自分の頭で考え、自分の判断で行動する。事業計画を社長自身で書けるということは、まさに経営における「独立自尊」の実践なのです。
📋 私の使命:100人の自立した社長の育成
私の目的は、「日本経済の再興のために、日本の中小企業をお金に困らない会社にすること」です。そして、その目的達成のために、「日本の中小企業の社長に財務を理解してもらい、社長自身で事業計画を書けるようになる人を100人育成すること」を目標としています。
【まだ道半ば】
目標達成に近づいていますか?と言われたら、まだまだこれからです。なぜなら、事業計画を書ける社長をまだ1人も育成できていないからです。しかし、20歳の頃から一貫してこの目標に向かって歩み続けています。
🎯 事業計画を社長自身で書けるようになる5つのステップ
では、具体的にどうすれば社長自身で事業計画を書けるようになるのか?私の経験から導き出した5つのステップをご紹介します:
- 財務の基礎理解:損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の関係性を理解し、数字が語る会社の真実を読み取れるようになる
- 過去データの分析:過去3年間の実績を詳細に分析し、売上と利益、資金繰りのパターンを把握する
- 市場環境の把握:自社を取り巻く環境変化を客観的に分析し、機会とリスクを明確にする
- 具体的目標の設定:売上、利益、資金繰り、投資計画を数値化し、実現可能で挑戦的な目標を設定する
- 定期的な見直し:月次、四半期で実績と計画を比較し、必要に応じて計画を修正する仕組みを構築する
💡 まとめ:目的があるからこその継続と成長
振り返ってみれば、弁護士よりも、今の方が20歳の頃目指していた存在に近づいている気がします。目的が設定されているから、紆余曲折はあったにせよ、自分の行きたい方向に歩んできたのだと感じています。
なので、単に「目的が大切ですよ」とどこかで聞いたことを話しているのではなく、自分自身がその重要性と大切さを知っているのです。だから、あなたにも事業計画を自分で書けるようになることの重要性を実感してもらいたいのです。
【収益満開経営への招待】
事業計画を社長自身で書けるようになること。それは依存からの脱却であり、真の経営自立への第一歩です。「和魂洋才」の精神で、古典の叡智と現代の経営手法を融合させ、2200年の日本に繁栄を残しましょう。