📝 この記事のポイント: 成功する社長と失敗する社長の決定的な違いは、「やり方」を探すか「ゴール」を設定するかです。本記事では、近江商人が300年実践し、現代脳科学が証明した「ゴール設定優先の法則」を解説します。
多くの社長が、こうした質問をします。「どうやって売上を上げるか?」「どうやって資金繰りを改善するか?」
しかし、300年続いた近江商人が最も重視したのは「やり方」ではなく「在り方」でした。そして、この事実は現代の脳科学によって完璧に証明されているのです。
これらの言葉に共通するのは、「方法論」を探しているという点です。しかし、明確なゴールがないまま方法だけを学んでも、脳は最適な答えを見つけられません。
これらの問いは、すべて「ゴール設定」につながります。成功する社長は、まず目的地を明確にし、そこから逆算して方法を考えるのです。
私はこれまで30社以上の財務改善に携わってきましたが、この違いは単なる考え方の問題ではありません。脳の働き方そのものが根本的に異なるのです。
ルー・タイス氏と苫米地英人博士が開発したTPIE理論は、世界3,300万人が実証した認知科学に基づく革命的発見を示しました。
脳はゴールが先、方法は後から見つける
これは感覚論ではありません。脳科学的事実です。
明確なゴールを設定すると、脳には「RAS(網様体賦活系)」という仕組みが作動します。すると、次のような現象が起こります:
今まで見えなかった情報が突然見えるようになる
必要な人脈が自然と集まってくる
思いもよらない解決策が浮かぶ
逆に、ゴールがあいまいなまま「やり方」だけを学んでも、脳は最適な答えを見つけられません。目の前に解決策があっても、それが見えないのです。
💡 具体例: 新車を買おうと決めた途端、街中で同じ車種ばかり目につくようになった経験はありませんか? これがRASの働きです。ゴール(新車購入)が明確になると、脳が関連情報を自動的にキャッチするのです。
近江商人の商売十訓第1条をご存知でしょうか。
「商売は世のため、人のための奉仕にして、利益はその当然の報酬なり」
これは単なる美談ではありません。経営哲学という名のゴール設定なのです。
近江商人たちは、「どうやって儲けるか」の前に「なぜ商売をするのか」を徹底的に考え抜きました。
会社は先祖から預かった公器である。社長個人の私物ではない。一時的な管理者(手代)として、次世代に引き継ぐ責任がある。
現代への示唆: 短期的な利益追求ではなく、持続可能な経営を目指す長期視点が必要です。
売り手よし、買い手よし、世間よし。すべてのステークホルダーに価値を提供する。ただし、これは「お人よし経営」ではなく、適正な利益を確保しながら社会貢献するという厳しい哲学です。
現代への示唆: 顧客満足と適正利益の両立が、長期的な企業価値創造につながります。
目先の利益より300年続く信用を重視。日々の帳合(財務管理)を徹底し、「日々損益を明らかにしないでは寝につかぬ」という厳格な自己規律を実践しました。
現代への示唆: 日次での財務状況把握が、経営判断の質を劇的に向上させます。
この哲学があったからこそ、江戸時代という厳しい競争環境で300年も繁栄できたのです。
TPIE理論が教えるもう一つの重要な概念があります。それが「現状の外のゴール設定」です。
多くの社長は「現実的な目標」を立てます:
これらは悪くありません。しかし、既存の延長線上では革新は生まれません。
「一見不可能に思えるゴール」を設定したとき、初めて脳の創造的機能がフル稼働する
現状の延長線上の目標では、脳は既存の方法を最適化するだけです。しかし、現状の外のゴールを設定すると、脳は「既存の方法では達成できない」と認識し、創造的な解決策を探し始めるのです。
近江商人も同じことをしていました。地方の小さな商人が、江戸や大坂で全国展開を目指す。当時としては「現状の外」の大きなゴールです。
でも彼らは「商人道」という哲学を持っていたからこそ、そのゴールに向かって進み続けられたのです。
二宮尊徳は、哲学と実践の完璧な統合を示す名言を残しました。
「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」
これは、哲学と実践の完璧な統合を示しています。
「どうやって」(方法論)だけでは罪悪になりうる。利益追求のみに走ると、顧客や社会を犠牲にする経営になる。
「なぜ」(哲学)だけでは寝言で終わる。理念だけで利益が出なければ、会社は存続できず、社会貢献もできない。
両方が揃って初めて、真の経営が成立するのです。
ここで、財務初心者の社長に質問です。
「5年後、あなたの会社はどうなっていますか?」
この質問に、数字ではなく哲学で答えられますか?
どんな価値を社会に提供している会社になっていますか?
具体例: 「地域の中小企業の財務改善を支援し、廃業率を50%削減している」
従業員はどんな誇りを持って働いていますか?
具体例: 「うちの会社で働くことで、社会に貢献していると実感できる」
お客様からどんな感謝の言葉をもらっていますか?
具体例: 「あなたの会社のおかげで、資金繰りの不安から解放された」
地域社会にどんな貢献をしていますか?
具体例: 「地域の雇用を守り、経済循環を活性化している」
これが答えられないまま、「資金繰り改善の方法」だけを学んでも、一時的な効果しか得られません。
収益満開経営で事業計画書作成を重視するのは、これが理由です。事業計画書は単なる書類ではありません。社長の脳をアップデートする認知科学的ツールなのです。
数値目標だけでなく、社会的価値や存在意義を言語化
ゴール達成に必要な資源、人材、戦略が可視化される
逆算思考により、優先順位が明確になる
ゴールに向かった一貫性ある行動により、望む未来を実現
これは、近江商人が300年実践してきたことであり、同時に現代の認知科学が証明した脳の仕組みでもあります。
なぜ「どうやって」より「なぜ」が重要なのか?
それは、脳科学的に、ゴールが明確でなければ最適な方法は見つからないからです。
そして近江商人は300年前から、このことを実践していました。
これらがあったからこそ、具体的な商売の方法が生まれ、300年の繁栄につながったのです。
近江商人の叡智をさらに深く理解するために、以下の記事もご覧ください。
💡 学習ガイド:まず「三方よしの真実」で近江商人の実態を理解し、本記事でゴール設定の重要性を学び、「事業計画書作成」で実践に移すという流れがおすすめです。
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