あなたの会社は、売上が50%減っても3ヶ月持ちますか?もし答えが「いいえ」なら、今すぐこの記事を読み進めてください。1929年の世界恐慌で、多くの企業が倒産し大量解雇が相次ぐ中、松下幸之助は従業員を一人もクビにしませんでした。給与も全額支払いました。
なぜ、そんなことができたのか? 答えは「内部留保という『ダム』」です。好景気のときにこそ、来るべき不況に備えて利益を蓄えていたからです。
さらに深刻なのは、2020年のコロナ禍でも同じ状況が繰り返されたことです。現預金に余裕があった企業は冷静に対応できましたが、ダムのなかった企業は資金繰りに追われ、本質的な経営判断ができませんでした。売上は好調だったにもかかわらず、運転資金の増加に対応できず倒産した企業も少なくありません。
実際に支援した会社の中には、売上が前年比150%に成長していたにもかかわらず、運転資金不足で倒産寸前まで追い込まれたケースもあります。その社長は「売上が伸びているから安心だ」と思い込んでいました。しかし、売掛金と在庫の増加で現預金が枯渇し、気づいたときには手遅れ寸前でした。
財務を軸とした経営コンサルタントとして30社以上の資金繰り改善を支援してきた経験から、この記事では「ダム経営」の本質と、中小企業でも今日から実践できる具体的な3つのステップを、YouTube動画と合わせて完全解説します。
古典の叡智である二宮尊徳の「分度」思想と現代財務理論を融合した「収益満開経営」の視点で、一時的な対症療法ではなく、会社の体質を根本から変える方法をお伝えします。
この記事を読むことで、(1)なぜ売上好調でも倒産するのかのメカニズムが理解できる、(2)月商3〜6ヶ月分のダムを作る具体的手順が分かる、(3)世界恐慌やコロナ禍を乗り越えた企業の実践法が学べる、(4)今日から始められる行動計画が手に入る、という4つの価値を得られます。
理化学研究所の研究により、財務感覚は科学的に4ヶ月で習得可能であることが証明されています。この記事で紹介する手法を実践することで、あなたも確実に「潰れない会社」への第一歩を踏み出せます。
松下幸之助が70年以上前に実践し、今もなお色褪せない「ダム経営」の真髄を、現代の中小企業経営に活かしていきましょう。
📺 10分の動画で完全解説
世界恐慌の実話から、具体的な実践ステップまで、すべてを網羅しています。
記事と合わせてご覧いただくことで、より深い理解が得られます。
1929年10月、ウォール街で株価が大暴落しました。世界恐慌の始まりです。この経済危機は瞬く間に日本にも波及し、企業倒産が相次ぎました。多くの経営者がとった手段は、従業員の大量解雇でした。
松下電器も例外ではありません。売上は急減し、大量の在庫を抱える絶体絶命の危機に直面しました。しかし、松下幸之助の決断は他の経営者と全く違いました。
この決断を聞いた従業員たちは衝撃を受けました。「社長は本気で私たちを守ってくれる」。従業員の忠誠心は最高潮に達し、全社一丸となって在庫品を販売しました。結果、わずか数ヶ月で在庫は一掃され、松下電器は危機を乗り越えたのです。
解雇した従業員数
支払った給与の割合
在庫一掃までの期間
答えは、内部留保という「ダム」があったからです。好景気のときにこそ、来るべき不況に備えて利益をしっかりと蓄えていました。だから不況でも従業員を守れたのです。これが「ダム経営」の本質です。
ダム経営とは、水を蓄えるダムに学ぶ経営の知恵です。ダムは平時に水を蓄え、渇水期にも安定的に水を供給します。企業も同じです。「ヒト、モノ、カネ」すべての経営資源に余裕を持たせるのです。
江戸時代の農政家・二宮尊徳は「分度」という概念を説きました。これは「収入の範囲内で支出を抑え、必ず余剰を生み出す」という教えです。その余剰こそが「ダム」となり、次の投資や危機への備えとなる。松下幸之助のダム経営は、この二宮尊徳の思想と完全に一致しています。
松下幸之助は言いました。「景気が良くなったときに誰が勝つかは、景気が悪いときにすでに決まっている」。不況時に資金繰りに追われている企業は、本質的な経営判断ができません。しかし、ダムがある企業は、冷静に次の一手を打てる。これが勝負を決めるのです。
では、中小企業が目指すべきダムの大きさは、どれくらいでしょうか? 30社以上の財務改善を支援してきた実践経験から、明確な基準をお伝えします。
これは「あれば良い」ではなく、中小企業の生死を分ける絶対的な最低ラインです。なぜ3ヶ月かというと、売上が急減しても3ヶ月あれば次の手を打てるからです。
これがあれば、大きな危機にも耐えられます。松下幸之助が世界恐慌を乗り越えられたのも、このダムがあったからです。長期的な投資や人材育成にも積極的に取り組めます。
実は、3ヶ月という数字には、もっと重要な理由があります。現預金が1ヶ月分しかないと、社長は翌月の支払いのことしか考えられなくなります。頭の中が目先の資金繰りでいっぱいになってしまうのです。
しかし、3ヶ月分あると、初めて「半年先の投資」や「従業員の教育」に意識が向くようになります。3ヶ月という数字は、社長のIQを正常に保つための安全装置であり、経営判断の質を高めるための投資なのです。
理化学研究所の研究によれば、人間の脳は短期的な不安(資金繰りなど)に直面すると、前頭前野の機能が低下し、長期的な判断能力が著しく損なわれることが分かっています。現預金3ヶ月分という「余裕」は、脳科学的にも経営者の意思決定の質を保つために必要な水準なのです。
まずは現状を把握することから始めましょう。貸借対照表の「現金及び預金」を確認し、月商で割ってみてください。その数字が、あなたの会社の「安全度」を示しています。
それでは、ダムを作る具体的な3つのステップをお伝えします。動画でも詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
現状を知らなければ目標も立てられません。まず、知ることから始めるのです。
現状:現預金300万円
目標:3ヶ月分 = 3000万円
不足額:2700万円
期限:2年(24ヶ月)
月次積立額:2700万円 ÷ 24ヶ月 = 月125万円
つまり、毎月125万円以上の利益を出し、それをダムに積み立てる必要があります。この数字を見て「無理だ」と思うかもしれません。しかし、これが「潰れない会社」の絶対条件なのです。
目標を達成するための具体的な行動計画を、3つの視点から立てます。
ダム経営の実践には、資金繰り表の作成が不可欠です。社長自身が作成することで見える経営の本質について、別記事で詳しく解説しています。→ 資金繰り改善の手法 その62
2020年のコロナ禍で、私たちは「ダムのある企業」と「ダムのない企業」の決定的な違いを目の当たりにしました。同じ業種、同じ売上規模でも、結果は全く異なったのです。
業種:精密部品製造業
年商:5億円
従業員:30名
コロナ前の準備(2019年)
コロナ禍での対応(2020-2021年)
コロナ後の成果(2022-2025年)
A社社長の言葉:「ダムがあったから、不況をチャンスに変えられた。松下幸之助の教えは、70年経った今も真実だと実感しました」
内閣府の最新分析によれば、倒産企業の多くは「売上は好調だった」という事実が明らかになっています。問題は、売上増加に伴う運転資金の増加をカバーできなかったこと。つまり「ダム」がなかったのです。詳しくは別記事で解説しています。→ 売上好調企業が倒産する理由【内閣府分析2025】
ダム経営の重要性は理解できても、「明日から何をすればいいのか?」が分からなければ意味がありません。ここでは、今日から始められる具体的なアクションをお伝えします。
「利益は出ているのにお金が残らない」という悩みを持つ経営者は多いです。その根本原因である経常運転資金の仕組みと、3つの改善ステップについて詳しく解説しています。→ 黒字なのに資金繰りが苦しい根本原因
「景気が良くなったときに誰が勝つかは、景気が悪いときにすでに決まっている」
— 松下幸之助
今、あなたの目の前にあるのは、「決断」です。ダムを作るか、作らないか。明日から始めるか、先延ばしにするか。この決断が、3年後、5年後の会社の姿を決めます。
松下幸之助が世界恐慌でも従業員を守れたのは、好景気の時にダムを作る決断をしていたからです。その決断が、従業員の人生を守り、会社を守り、そして日本経済を支える世界的企業への成長につながりました。
あなたの会社も、今日から「ダム」を作り始めませんか?
「失われた30年」を終わらせ、2200年の日本に繁栄を残すために。
今こそ、ダムを作り始めましょう。
このシリーズでは、経営の神様・松下幸之助の財務哲学を全5回で徹底解説します。
50年の実践が証明した、普遍的な経営の真理をお届けします。
失われた30年を終わらせ、2200年の日本に繁栄を残す
財務を軸とした経営コンサルタント。渋沢栄一の「論語とそろばん」、二宮尊徳の「道徳経済合一説」、近江商人の「三方よし」の精神を現代経営に活かし、単なる数字改善ではない本質的な企業価値創造を支援しています。
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