新年早々、東京都新宿区の大学受験予備校「ニチガク」を運営する日本学力振興会が1月4日に事業を停止し、破産申請の準備に入ったことがマスコミを賑わしました。受験シーズンを目前にした約130名の生徒や関係者に深刻な混乱を招いた事件です。
しかし、この事例は氷山の一角に過ぎません。2024年の学習塾倒産は53件と過去最多を記録し、負債総額も117億4,400万円と前年の9.2倍に急増しました。さらに、2025年11月14日に東京商工リサーチが発表した最新データでは、設立10年未満の企業倒産が29.1%を占め、その主要原因が「放漫経営11.0%」と「販売不振70.3%」――合計81.3%が本質的には「思考力不足」による倒産であることが判明しました。
今回は、学習塾業界の激変から読み解く、経営における変化対応力の真実を、4つの科学的根拠と古典の叡智で探ってみましょう。
2024年倒産件数(過去最多)
負債総額(前年比9.2倍)
設立10年未満倒産率(2025年TSR)
ニチガクは1983年設立で40年以上の歴史を持つ老舗予備校でした。しかし、競争激化や少子化などの事業環境変化の中で、債務の支払いが不能になり資金繰りが逼迫しました。
これは東京商工リサーチが2025年11月に発表したデータと完全に一致します。設立10年未満の倒産企業のうち、放漫経営が11.0%――これは全体平均4.9%の2.2倍です。つまり、創業段階から「計画性の欠如」という致命的欠陥を抱えているのです。
2024年6月に個別指導塾スタンダード(福岡市)が民事再生法を申請し、負債総額83億2,400万円は2000年以降の学習塾倒産では最大規模となりました。同社は一時は約500教室を抱え、株式上場も視野に入れていた大手企業でした。
個別指導塾スタンダードは2019年4月期にピーク売上高82億1816万円を計上したものの、コロナ禍や少子化に伴う競合激化によって2023年4月期には5億3063万円の赤字を記録しました。
興味深いのは、同じ市場環境でも成長を続ける企業と衰退する企業という明確な二極化が進んでいることです。成長企業の特徴を見ると:
2023年の学習塾市場では休廃業・解散が113社に対し、新設法人は519社と大幅に新規参入が上回っているという事実があります。これは「業界全体が厳しい」のではなく、「変化への対応ができない企業が厳しい」ことを明確に示しています。
破綻した予備校の財務状況を見ると、売上の減少は結果であって原因ではないことが明確です。環境変化への対応遅れが収益を悪化させ、不適切な経営管理がその破綻を加速させました。
2025年TSRデータが示す決定的事実:設立10年未満の倒産のうち、販売不振70.3%、放漫経営11.0%――合計81.3%が本質的には「思考力不足」による倒産です。事業計画書を書けない、市場分析ができない、資金計画が立てられない――これらはすべて「考える力」の欠如なのです。
理化学研究所の将棋プロ研究では、プロ棋士が盤面を見た瞬間に「危険」を察知する能力が、楔前部と尾状核の連動によって生まれることが判明しました。そして決定的な発見――この能力は4ヶ月の訓練で習得可能だということです。
経営への応用:環境変化への感度
– 成功企業の経営者:市場変化を「瞬時に察知」する直観力
– 破綻企業の経営者:明らかな変化すら「認識できない」鈍感さ
– 科学的訓練:事業計画書作成による環境分析力の体系的育成
ニチガクが固定電話営業に固執し続けた背景には、この「変化察知の直観力」の欠如があったのです。
市川伸一教授の研究では、6つの学習志向のうち「報酬志向」が最も持続性が低いことが示されています。これは経営においても同様です。
個別指導塾スタンダードの失敗構造:
– ピーク時82億円という「成功体験」への固執
– 過去の成功パターンの機械的反復
– 市場変化への認識拒否(認知的不協和)
– 結果:5億円の赤字転落
成長企業の学習志向:
– 充実志向:「新しい教育手法が面白い」
– 訓練志向:「教育者として成長したい」
– 内発的動機による持続的イノベーション
市川理論が証明するのは、外的成功(売上・利益)への執着ではなく、内的成長(能力向上)への志向こそが変化対応力を生むという事実です。
西林克彦教授は、「わかったつもり」が学習の最大の敵であると指摘します。これは経営における環境認識にも当てはまります。
破綻企業の典型的「わかったつもり」:
1. 表面的認識:「少子化で厳しい」と分かっている
2. 行動不全:具体的対策は何も取らない
3. 安定錯覚:「今までなんとかなったから大丈夫」
4. 破綻:突然の資金繰り逼迫
「わかったつもり」克服の3つの方法:
1. 能動的再構成:市場データを自分で分析し直す
2. 他者への説明:従業員に戦略を論理的に説明する
3. 疑問を持つ:「なぜ売上は横ばいなのに利益は減るのか?」
事業計画書作成は、まさにこの「わかったつもり」を破壊する科学的プロセスなのです。
デシ・レッパーの1971年実験では、外的報酬(お金・評価)は内発的動機を破壊することが証明されました。これは企業の変化対応にも決定的な示唆を与えます。
外的圧力による変化(失敗パターン):
– 「銀行から言われたから」事業計画を書く
– 「補助金がもらえるから」新規事業を始める
– 「競合がやっているから」デジタル化する
– 結果:形式的対応、継続性なし、本質的変化なし
内発的動機による変化(成功パターン):
– 「生徒の成長が見たいから」教育手法を革新
– 「社会に貢献したいから」新しい価値を創造
– 「経営者として成長したいから」本質を学ぶ
– 結果:持続的イノベーション、競争優位の確立
新規参入519社の多くは、まさにこの内発的動機に駆動されているのです。
これが、古典の叡智「積小為大」と現代科学が完璧に一致する地点なのです。
2. 対応する実行力:具体的な改善策を迅速に実行に移す
– 西林理論:「わかったつもり」からの脱却
– 能動的再構成:データを自分で分析する力
– 持続的実践:小さな改善の積み重ね(積小為大)
3. 持続的進化への意志:継続的な学習と改善を怠らない
– 市川理論:内発的動機づけによる持続性
– デシ理論:外的報酬依存からの脱却
– 結果:競争優位の確立と長期的繁栄
これらがない組織は、もはや「経営」という言葉すら使えません。それは単なる「事業の延命」でしかないからです。
二宮尊徳の「積小為大」の教えは、変化対応においても重要な示唆を与えます。大きな変化も、小さな改善の積み重ねから始まります。個別指導塾スタンダードの失敗は、この原則を忘れ、82億円という「大きな成功」に固執したことにあります。
また、「入りを量りて出を制す」という『礼記』の原則は、変化の激しい時代においてこそ重要な経営指針となります。ニチガクの破綻は、この基本原則――収入を正確に把握し、それに応じて支出をコントロールする――を怠った結果なのです。
山田方谷の陽明学的実践「事上磨錬」――実践を通じて思考を磨く――は、まさに現代の経営者に必要な姿勢です。理論だけでは意味がない、実践を通じて学び続けることこそが、変化の時代を生き抜く力になるのです。
真に必要なのは、変化を直視する勇気、対応する実行力、そして持続的な進化への意志です。そして理化学研究所の研究が証明したように、これらの能力は4ヶ月の科学的訓練で確実に習得可能なのです。
これらを持つ企業こそが、どんな激変の時代も乗り越え、持続的な成長を実現できるのです。
設立10年未満29.1%という倒産率を、10%以下へ。放漫経営11.0%を、ゼロへ。販売不振70.3%を、市場創造70%へ。
これは夢物語ではありません。4つの科学分野が証明した、確実に実現可能な未来です。
2024年学習塾倒産53件(過去最多)
2025年設立10年未満倒産29.1%(思考力不足81.3%)
新設法人519社 vs 休廃業113社
データが示す真実――「業界全体が厳しい」のではない。
「変化対応できない企業」が厳しいのだ。
そして、変化対応力は4ヶ月で習得可能である。
💡 経営環境変化学習ガイド:これらの関連記事を順番に読むことで、学習塾業界から始まる経営環境変化への対応方法を体系的に学べます。変化を「脅威」ではなく「機会」として捉える視点を獲得しましょう。
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