📅 最終更新:2025年7月13日
※ 最新の金融環境と中小企業の実情を踏まえ、内容を全面的に見直し・更新いたしました
コロナ融資時代の終焉と共に、中小企業の資金調達環境は一変しました
「どうやったら、新規融資を借りることができますか?」—この質問が、私のもとに寄せられる相談の中で急増しています。1年前には全く聞かれなかった質問です。
当時はコロナ融資を無計画に借りられるだけ借りて、返済が進まず、特に何も考えずに据え置きをしていた企業が大多数でした。その結果、コロナが明けてビジネスが動いた時に、新規融資を受けられないという状況になっています。
2022年1月から信用保証協会の保証状況を見ると、この傾向がより明確になっています。特に注目すべきは、2023年1月から開始されたコロナ借換保証制度の利用実績です。
この数字が示すのは、返済が進んでいない会社ほど借りられないという状況が続いているということです。
コロナ融資が開始された頃から、私は一貫してお伝えしてきました。「できるだけ借りることを考えるのではなく、資金繰りを見ながら、どうしても必要ならば借入をする、という方針でないと後で困りますよ」と。
しかし、ほとんどの社長は「借りれるときに借りた方がいい」「今は安い金利なのだから借りないと損」とばかりに、無計画に借入を実行されました。決めるのは社長であり、コンサルタントはアドバイザーなので、そのこと自体は構わないのですが、2022年1月以降の信用保証協会の保証状況を見ると、案の定、返済実績のない会社ほど新規融資が困難になっているという状況が浮き彫りになっています。
特に重要なのは、返済が進んでいない会社ほど、新たな融資を受けにくくなっているという現実です。
現在の融資環境を理解するためには、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」の原則に従って、まず現状を正確に把握することが重要です。
コロナ借換保証の承諾実績は162,563件、4兆720億円です(2023年1月10日~2024年3月22日)。ゼロゼロ融資の融資実績は約234万件以上といわれているため、ゼロゼロ融資からコロナ借換保証への借換率は最大で約7%と試算されています。
この数字は何を意味するのでしょうか。つまり、93%の会社がコロナ借換保証を利用できていない、あるいは利用する必要がない状況にあるということです。
コロナ借換保証が2024年6月末で原則終了し、7月以降は支援水準をコロナ前に戻す方針が示されています。つまり、従来の「とりあえず借りられるだけ借りる」という発想では、もはや融資を受けることは困難になったということです。
金融庁の方針でも明確に示されているように、「それぞれの事業者の現下の決算状況・借入状況や条件変更の有無等のみで機械的・硬直的に判断せず」と記載されていますが、実際には返済実績のない会社への融資審査は格段に厳しくなっています。
コロナ借換保証の事例から学ぶべき、新しい融資獲得の条件:
コロナ借換保証制度の利用実績から見えてくるのは、経営行動計画書の作成と金融機関による継続的な伴走支援が資金調達の前提条件となったことです。つまり、金融機関は「お金を貸す」だけでなく、「会社経営をサポートする」姿勢を明確に求めるようになったのです。
まずは自社の財務状況を客観的に分析し、返済能力を向上させるための具体的な施策を実行することが必要です。これは単なる数字の改善ではなく、事業の根本的な収益性向上を目指すものでなければなりません。
新規融資を検討する際は、金融機関との信頼関係構築が何より重要です。定期的な業績報告、将来計画の共有、そして誠実な対話を通じて、長期的なパートナーシップを築くことが融資成功の鍵となります。
特に重要なのは、コロナ借換保証制度の終了により、従来の支援的融資環境が根本的に変わったことを認識することです。
新規融資の問題は、単なる資金調達の技術的な課題ではありません。これは、会社の持続的成長と社会貢献を見据えた、根本的な会社経営改革の機会でもあります。
渋沢栄一の「論語とそろばん」の精神に学ぶように、道徳的な経営と経済的な成功を両立させることが、困難な時代を乗り越える真の力となります。
新規融資が困難な今こそ、会社の真の実力が試される時代です。表面的な資金調達テクニックではなく、会社価値の本質的向上を通じて、金融機関からの信頼を獲得し、持続可能な成長を実現しましょう。
「和魂洋才」の精神で、日本古来の商人道と現代の財務理論を融合させた会社経営を実践することが、失われた30年を終わらせ、2200年の日本に繁栄を残すための第一歩となるのです。