📅 最終更新:2025年8月3日
※ 2025年上半期の最新データと累計2272件の詳細分析を追加。現在の時期に合わせて内容を全面改訂。
業歴浅い会社の相談急増が示す「返済本格化時代」の財務危機
最近、相談の傾向が劇的に変わってきました。以前は業歴の長い会社からの相談が殆どでしたが、会社を作って5期経っていない会社からの相談を受けることが急激に増加しています。これは偶然ではありません。
2025年夏の現在、私たち財務コンサルタントの現場では深刻な問題が浮き彫りになっています。ゼロゼロ融資倒産は累計で2272件に達し、業歴の浅い会社からの相談急増は、返済本格化時代における「見えない財務危機」の表れなのです。
2025年上半期(2025年1-6月)に316件判明し、前年同期(391件)から75件減少したものの、3年連続で300件を超えました。2020年7月に初めて倒産が確認されて以降の累計は2272件となっています。
東京商工リサーチと帝国データバンクの最新データを分析すると、ゼロゼロ融資倒産の動向に明確な変化が見られます。2024年は567件(前年比10.7%減)で、2020年にゼロゼロ融資が始まって以来、利用企業の倒産が前年を下回ったのは初めてでした。
しかし、これは問題の終息を意味するものではありません。2024年4月に返済がピークを迎えたが、同年6月から2025年3月まで10カ月連続で前年同月を下回るなど、小康状態が続いている状況は、各種支援策による一時的な抑制効果に過ぎないのです。
| 期間 | 倒産件数 | 累計 |
|---|---|---|
| 2024年通年 | 567件(前年比10.7%減) | 1,787件 |
| 2025年上半期 | 316件(前年同期比75件減) | 2,272件 |
ゼロゼロ融資が始まった当時から、「計画的な借入をしないと後で大変なことになる」と再三伝えていました。しかし、当時の多くの経営者は耳を貸してくれませんでした。
“
「借りられるならできるだけ多く」「お金があれば何とでもなる」
– 2020年当時の多くの経営者の声
それまで計画的に事業をしていない会社ほど、時間が経つにつれて財務が酷い状況になっていきました。特に業歴の浅い会社は当然財務体質が弱いため、借入依存に一気になってしまい、財務についての知見がない状況で壊滅的な状態に陥ったのです。
最近業歴の浅い会社の相談が増えているのは自然なことだと感じています。これらの会社に共通するのは、財務体質が非常に悪化している状況です。当然、打てる手は殆ど限られているのですが、それでも売上を上げに行ってしまっていて泥沼化というのが共通しています。
日本銀行の政策金利引き上げにより「金利のある世界」に戻り、「ゼロゼロ融資後倒産」のリスクは引き続き高水準で推移するとみられています。2025年1月の政策金利0.5%への引き上げにより、企業の資金調達環境は大きく変化しました。
さらに、2023年1月に制度が開始した「コロナ借換保証」は、8割が2年以内の元本据置期間としているため、今夏以降に返済が始まる企業の増加が見込まれています。
業歴の浅い会社の経営者は、財務状況の悪化に直面したとき、本能的に「売上を上げれば解決する」と考えがちです。しかし、これこそが泥沼化の始まりなのです。
リスケだけで会社を良くすることはできません。そして、財務状況の悪い会社に新規の資金をただ入れても、ザルで水をすくうように、全く効果が無いものになります。
2025年上半期の倒産を業種別にみると、『小売業』が66件で最多となり、『建設業』が62件、『製造業』が60件で続いた。『小売業』では「飲食店」が31件、「飲食料品小売」が14件となるなど、飲食関連で目立っています。
飲食業界では、光熱費や食材費の高騰、人件費の上昇に加えて人手不足が重なり、採算悪化から破たんするケースが増加しており、業歴の浅い会社ほどこれらの外的要因への耐性が低いことが明らかになっています。
中小企業庁によると、コロナ借換保証を受けた約8割の企業が返済開始までの据え置き期間を2年以内に設定しており、夏以降、返済が始まる企業の動向が注目される状況です。
これまで元金返済も利子も返済していなかった会社に、一気に返済開始がのしかかってきます。物価高や人手不足、価格転嫁難などの経営リスクを抱え、借入金の返済原資の確保に苦しむ企業も少なくないのが現実です。
資金効果を最大化するためには検証が必須になります。ただ、良かった悪かったでは意味がないのです。会社の状況が悪いからこそ、計画策定が必要になるのです。
政府は、既にコロナ対応型の資金繰り支援から経営改善・再生支援・成長促進に軸足を移し、経営を後押しする構えです。これは、従来の「延命支援」から「自立支援」への転換を意味します。
業歴の浅い会社ほど、この変化に適応できるかどうかが生き残りの分かれ道となります。単なる資金繰り支援に頼るのではなく、根本的な経営体質の改善に取り組む必要があります。
ゼロゼロ融資倒産累計2272件という数字は、単なる統計ではありません。これは、計画性のない経営がもたらした必然的な結果です。業歴の浅い会社からの相談急増は、この問題がより深刻化している証拠です。
しかし、これは同時に「正しい経営への転換」の絶好のタイミングでもあります。借入依存から脱却し、真の「収益満開経営」を実現するために、今こそ計画的な財務改善に取り組むことが重要です。
返済本格化時代に突入した今、甘い経営を続けることは許されません。データに基づいた科学的な経営改善こそが、2200年の日本に繁栄を残すための第一歩なのです。
合同会社エバーグリーン経営研究所 長瀬好征
「和魂洋才」による収益満開経営で、失われた30年を終わらせ、2200年の日本に繁栄を残す
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