財務によくある勘違い その2 「値引き」の意味

2023.09.13

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財務コンサルタントの長瀬 好征です。

「原価を考えない人なんて本当にいるの?」という

質問を受けました。

確かに、普通に考えたら原価のことを考えないなん
て考え難いですよね。

でも、実際コンサルティングに入るとそのような
場面にしばしば出会います。

 

まあ、これは社長に責任が必ずしもあるワケでは
ないのですが、そのことは今回とは別のテーマに
なるので、前回の売上Up≠利益Upという話の続
きをしていきます。

売上Up=利益Upという考え方を、

売上至上主義

といいます。

 

日本にはこの病がまん延していて、殆どの社長

がこの思い込みをもっています。

 

前回の話のとおり、

売上と利益の関係は、そういうこともある程度だと

話しました。

ではなぜ、売上至上主義がまん延するのでしょうか?

 

これについては、シンプルな話で

「分かり易い」

という一言につきます。

 

売上以上に原価がかかればそれだけで利益は増え
ないのですが、「売上」の魔力に抵抗するには、
その分かりやすさから難しいようです。

ある会社の話です。

私が決算書を事前にお預かりして拝見したところ、

売上が2期連続で伸びていましたが、赤字幅が拡大

していました。

 

社長が売上至上主義になっていることはお会い
する前から分かりましたが、初回面談で次の質
問をしてみました。

「社長、まさか値引きしてもいいから売るよう
に、と営業に言っていませんか?」

意味が分からないようで、社長からは何が悪い
の?という感じの表情が浮かんでいました。

 

「では質問を変えますが、値引きって、どこ
を削っていると思いますか?」と質問をしまし
た。

 

あなたはすぐに答えることが出来るでしょうか?

 

値引きしても、経費は変わりませんよね。
そうです。「利益」です。

 

このことは値引き販売をすること自体が悪い

といいたいわけではありません。

 

言いたいのは、値引きは本来会社が得るべき
利益を失っていること。

そして、値引きをする大前提である原価を
正確に把握しておかないと原価割れを起こ
している可能性すらある、ということを言い
たいのです。

 

本当に原価を把握しているでしょうか?

次回も是非お読みください。

About Post Author

NAGASE YOSHIYUKI

財務コンサルタント。 ビジョン「1000年繁栄し続ける企業への変容するようサポートする」 ミッション「ご縁をいただいた会社、社長、従業員の成長、発展、成功、繁栄への道を共に歩む社外の一番のパートナー」
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