エバーグリーン経営研究所
エバーグリーン経営研究所

事業計画書作成10ステップ完全ガイド|社長が自分で作り、使いこなすための全体像

事業計画書作成10ステップ完全ガイド|社長が自分で作り、使いこなすための全体像📅 更新日:2026年10月1日 ✍️ 経営コンサルタント 長瀬好征 2025年の「歴史的転換」— 政府が初めて認めた経営力の […]

経営コンサルタント 長瀬好征事業計画・戦略

事業計画書作成10ステップ完全ガイド

銀行提出用ではなく、社長の経営判断の道具としての事業計画|2025年版中小企業白書のデータ付き
🗓️ 公開日:2026年2月2日|更新日:2026年10月1日

「売上はあるのに、なぜかお金が残らない」
「賃上げに応えたいが、会社の体力がもつか不安」
「計画書を作っても、いつも絵に描いた餅で終わる」

結論から申し上げます。これらの悩みは「頑張り方」の問題ではなく、事業計画という「思考の道具」を持っていないことから生まれています。銀行に出すための書類ではなく、社長自身が経営判断に使う計画を持てば、努力の向け先がはっきりし、数字の見通しが立つようになります。

私は財務を軸とした経営コンサルタントとして、30社以上の資金繰り改善・事業計画の策定を支援してきました。ご相談に来られる社長の多くは、「税理士に決算書は作ってもらっている」「銀行に出す計画書は外部に作ってもらった」とおっしゃいます。しかし、社長自身が作らず、説明もできない計画は、経営判断には使えません。

このガイドは、当サイトで事業計画について書いてきた記事を、10のステップに沿って一つの体系にまとめたものです。全体像をこのページでつかみ、各ステップの詳しい解説は関連記事でお読みください。古典の叡智である渋沢栄一の『論語と算盤』、二宮尊徳の「分度」、近江商人の商いの心得と、現代の財務理論を組み合わせた「収益満開経営」の視点でお伝えします。

事業計画書作成10ステップの全体像フロー図

10ステップ全体像フロー図

📊 このガイドで得られること:

  • 2025年版中小企業白書が示す、経営計画の策定と業績の関係
  • 5問でできる、自社の計画の簡易診断
  • 事業計画書作成の10ステップと、ステップごとの関連記事への道案内
  • 計画を「作って終わり」にしないための進捗管理と見直しの考え方

計画づくりの前に、まず自社の現状を客観的に点検してみませんか。7つの観点から自社を点検できる「経営力診断シート」を無料でお配りしています。

📧 無料メルマガ登録で診断シートを受け取る

📋 目次

収益満開経営流「事業計画」の3つの独自性とは?

「キャッシュから逆算する」「見えない資産を描く」「作った後の進捗管理まで組み込む」の3つです。一般的な「銀行提出用マニュアル」とは、計画を作る目的そのものが違います。

収益満開経営流の事業計画の3つの独自性の比較図

3つの独自性ビジュアル比較図

1. キャッシュ起点の「逆算財務」

計画は銀行のためではなく、社長が自由に使えるお金(キャッシュ)を確保するために作ります。必要な利益と資金から逆算して売上や費用を決めるので、「売上は計画どおりなのにお金が残らない」という事態を防げます。人件費が上がり続ける今、賃上げの原資をどこから生むかを先に描いておくことが欠かせません。

2. 「見えざる資産」の可視化

経営学者の伊丹敬之氏が「見えざる資産」と呼んだ、顧客との関係、社員の技能、ブランドや信用といった、貸借対照表には載らない資産を計画に描きます。数字に表れない強みをどう育て、どう収益に結びつけるかを考えることが、ほかの会社には真似のできない計画をつくります。

3. 作った後の進捗管理(モニタリング)を前提にする

経営計画を社長自らが作り、使い続けることを説いた一倉定の考え方のとおり、計画は「作って終わり」ではありません。毎月、計画と実績を比べ、差の理由を考えて次の手を打つ。この運用まで含めて初めて、事業計画は機能します。進捗管理の具体的な方法はステップ9で紹介します。

白書のデータは、事業計画について何を示しているのか?

2025年版中小企業白書は、経営計画を策定している事業者のほうが、売上高・付加価値額の伸び率が高い傾向を示しています。同時に、計画を作っても運用しなければ効果が得にくいことも示しています。

白書(第2部第1章第1節「経営戦略」)では、帝国データバンクの調査(2024年11〜12月)をもとに、経営計画の策定状況と業績の関係が分析されています。経営計画を「策定している」事業者は約5割(51.1%)でした。

項目(中央値)策定している策定していない
売上高の変化率7.7%5.7%
付加価値額の変化率9.9%8.1%

計画期間別に見ると、売上高の変化率は「1年以内」3.6%、「1年超〜3年以内」5.4%、「3年超〜5年以内」9.9%、「5年超」13.2%と、期間の長い計画を持つ事業者ほど高い傾向があります(付加価値額の変化率も5.7%、8.2%、11.8%、15.1%)。ただし、長期の計画を持つ会社はもともと規模や経営体制が整っている可能性もあり、「長期計画にすれば必ず伸びる」とまでは言えません。これらはあくまで傾向です。

もう一つ見逃せないのが、計画の「運用」です。白書は、計画達成に向けた行動・進捗管理・評価と見直しのいずれにも取り組んでいない事業者では、「想定した効果は得られなかった」と答える割合が特に高いことを示しています。計画は、作ることより使うことで差がつく——これが、このガイドがステップ9・10の運用まで含めている理由です。

一方で、倒産は増えています。帝国データバンクの「全国企業倒産集計2025年度報」(2026年4月公表)では、2025年度の倒産件数(負債1,000万円以上)は1万1,027件と報告されています。見通しを持たずに「頑張ればなんとかなる」と進む経営のリスクは、確実に高まっています。

白書のデータを事業計画づくりにどう生かすかは、事業計画書を作れない社長に共通する3つの原因でも詳しく扱っています。

【診断】あなたの計画の「勝算」を測る

次の5つの項目で、今の事業計画(または経営の状況)を診断してください。当てはまる数で、どのステップから手をつけるべきかが見えてきます。

診断項目該当
5年後のビジョンを、数字も含めて明確に語れる□
毎月、資金繰り表を自分で確認している□
賃上げの計画が、売上・利益の計画と連動している□
社員が会社の目標と、そのための道筋を理解している□
計画と実績を毎月比べ、差の原因を分析している□

【判定の目安】

5つ:優秀——ステップ9・10で運用の精度を高めましょう

3〜4つ:良好——当てはまらなかった項目に対応するステップを重点的に

1〜2つ:要改善——ステップ1から順に進めてください

0:今が始めどき——まずステップ1の「目的の明確化」から

より詳しい診断には、2025年版中小企業白書を参考に作成した「経営力診断シート」(35問・7つの観点)をご活用ください。メルマガ登録特典として無料でお届けしています。

📊 診断シートを無料で受け取る

事業計画書は、どんな手順で作ればよいのか?(10ステップ)

目的の明確化から始め、環境分析、目標設定、戦略、財務計画、行動計画、リスク対策を経て、進捗管理と見直しまでの10ステップで作ります。各ステップには詳しく解説した記事へのリンクを設けていますので、必要なところから読み進めてください。

ステップ1:目的の明確化

事業計画づくりの第一歩は、「なぜ作るのか」をはっきりさせることです。銀行に提出するためではなく、社長自身の経営判断の道具として位置づけることで、計画の中身も使い方も変わります。

📚 関連記事:

ステップ2:外部環境分析

市場の動き、競合、法制度など、自社を取り巻く環境を客観的に分析します。とくに今は人件費の上昇・物価高・金利の上昇が、多くの中小企業に共通する重要な変化です。古典の戦略論が説く環境分析の考え方も、現代の経営に通じます。

📚 関連記事:

ステップ3:内部環境(自社)分析

自社の強みと弱み、財務の状況、人の力を正確に把握します。とくに大切なのは、顧客との関係、社員の技能、信用といった「見えざる資産」の評価です。あわせて、社員一人を雇うのにどれだけの売上が必要かといった、自社の儲けの構造も数字で押さえます。

📚 関連記事:

ステップ4:ビジョンと目標設定

5年後のあるべき姿を描き、具体的な数値目標に落とし込みます。ここで大切なのは、社長自身の意図と野望を計画に織り込むことです。スター精密の創業者・佐藤誠一氏が著書『野望と先見』(日本経営合理化協会)で示したように、計画は数字の見積もりではなく、社長が何を成し遂げたいかという意志の表明でもあります。そして目標は、「なぜ」「どのように」「誰が」を説明できる形にしてください。説明できない目標は、計画ではなくスローガンにとどまります。

📚 関連記事:

ステップ5:戦略立案

目標を達成するための道筋を決めます。孫子の「算多きは勝ち、算少なきは勝たず」が示すように、勝算を事前に計算しない経営は危うい。AIやテンプレートに任せるのではなく、社長が自分の頭で考え抜くことが欠かせません。

📚 関連記事:

ステップ6:財務計画作成

売上計画、費用計画、資金繰り計画をつなぎ、数字の整合性を確保します。とくに重要なのは、人件費の増加を賄える粗利を確保できるか、そして資金繰りがもつかの確認です。

📚 関連記事:

ステップ7:具体的アクションプラン

戦略を「誰が・いつまでに・何をするか」まで具体化します。ここがあいまいだと、計画は「絵に描いた餅」になります。

📚 関連記事:

ステップ8:リスク分析と対策

起こりうるリスクを洗い出し、対応策を前もって用意します。売上の減少、主要な社員の退職、資金繰りの悪化など、倒産につながる原因を事前に押さえておくことが大切です。

📚 関連記事:

ステップ9:進捗管理の仕組み構築

月次で計画と実績を比べる仕組みを整えます。進捗は売上の「率」ではなく、粗利の「額」で見て、計画との差の理由を分析することが経営力を高めるかぎです。

📚 関連記事:

ステップ10:修正と改善の継続

計画は「生きた羅針盤」です。未達だからといって安易に計画を下げず、前提が崩れたのか、実行が足りないのかを見分けて対応します。

📚 関連記事:

結論:事業計画は社長を「考える経営者」に変える道具

事業計画書は、書類ではなく、社長が自分の会社の未来を考え抜くための道具です。作る過程で、社長は自社の儲けの構造と資金の流れを理解し、「頑張る経営者」から「考える経営者」へと変わっていきます。

組織心理学者カール・ワイクが紹介したことで知られる、アルプス山脈の偵察隊の逸話があります。雪山で道を失った偵察隊は、隊員のポケットにあった一枚の地図を頼りに無事に帰還しました。後になって、その地図はアルプスではなくピレネー山脈の地図だったとわかります。地図が正確だったから助かったのではなく、地図をもとに全員で考え、動き出せたから助かったのです。事業計画も同じです。予測が完璧である必要はありません。計画を足場に考え続けることが、会社を前に進めます。

近江商人は、遠方に出店を構えて商いを広げながら、帳簿で各店の実態を確かめ、地道で着実な経営を重ねて、長く続く家業を築きました。流行に踊らされず、本質的な価値の創造に徹する姿勢は、今の中小企業経営にもそのまま通じます。

事業計画書は、社長を「真の経営者」へと変える
思考のトレーニングです。

このガイドの10ステップと関連記事を活用し、あなたの会社に「収益満開」をもたらす計画をつくってください。

さらなる実践のために

このガイドの内容をより深く理解し、実践するために、次の記事もご活用ください。

📌 融資・資金調達

📌 経営哲学・思考法

📌 計画づくりの壁を越える

📌 賃上げ時代への対応

❓ よくある質問

Q. 事業計画書は何から作り始めればよいですか?

まず「なぜ作るのか」という目的をはっきりさせることから始めてください。銀行に提出するためではなく、社長自身が経営判断に使う道具として位置づけると、その後の環境分析や目標設定の中身が変わります。本ガイドのステップ1から順に進めるのがお勧めです。

Q. 事業計画を策定すると、業績は良くなりますか?

2025年版中小企業白書では、経営計画を策定している事業者は、策定していない事業者に比べて売上高の変化率(中央値)が7.7%対5.7%、付加価値額の変化率が9.9%対8.1%と高い傾向が示されています。ただし、これは傾向であり、計画を運用していない事業者では「想定した効果は得られなかった」と答える割合が特に高いことも示されています。

Q. 事業計画書は外部に作ってもらってもよいですか?

お勧めしません。外部の人が作った計画は、社長自身が前提や数字の根拠を説明できず、経営判断に使えないまま棚に置かれがちです。専門家の助言を受けるのは有効ですが、前提の一つひとつは社長自身が考えて決めることが大切です。

Q. 事業計画の期間はどのくらいにすればよいですか?

目安としては3〜5年程度の中期計画と、それを月次に落とした1年の計画を組み合わせるのがお勧めです。白書では期間の長い計画を持つ事業者ほど売上高の伸び率が高い傾向が示されていますが、もともと経営体制が整っている会社である可能性もあり、期間を延ばせば必ず伸びるわけではありません。

Q. 作った事業計画は、どのように使えばよいですか?

毎月、計画と実績を比べ、差の理由を分析して次の手を打つことです。進捗は売上の率ではなく粗利の額で見て、未達のときは前提が崩れたのか実行が足りないのかを見分けます。自社の現状確認には、メルマガ登録特典の「経営力診断シート」もご活用ください。

📧 メルマガ「収益満開経営」のご案内

毎週月曜日、経営の本質を突く洞察をお届けしています。
渋沢栄一・二宮尊徳・近江商人の智慧と現代経営理論を融合した
「収益満開経営」の実践法を、無料でお読みいただけます。

🎁 ご登録特典:PDF診断シート2点を無料プレゼント

📊
経営力診断シート
2025年中小企業白書準拠・35問で7観点を診断
💰
資金繰りチェックシート
今すぐ使える実践的チェックリスト

PDFファイルなので、スマホ・PCですぐにダウンロード可能
ご登録後のステップメールにてお受け取りいただけます

※いつでも配信解除できます

合同会社エバーグリーン経営研究所

経営コンサルタント 長瀬好征

「和魂洋才」による収益満開経営で、失われた30年を終わらせ、
2200年の日本に繁栄を残す

まずは、対話から

記事だけでは伝わらない、貴社に合った進め方を初回面談でご提案します。